チョン・ボラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本来、世界は寂しさに満ちていて、すべての存在は孤独だ。困難の末に正義や真実が勝利し、不正が正されたとしても、最終的に善が栄えて悪が滅びる勧善懲悪が実現したとしても、あるいは、必要とされた復讐を成し遂げたとしても、依然として、世界は寂しく、人間は孤独であって、この事実は永遠に変わらない。
…この物語が、よそよそしく荒々しい世界において、寂しく孤独な方法で、それぞれに孤軍奮闘している読者の慰めになればと思う。
ー著者あとがきより
この短編集のお話はどれも結末はある種破滅に至り、SF、ホラーめいている。話の展開は理不尽さに微塵も容赦がなく、グロテスクにも感じる。
けれど全てのおはなしは上記の著者あ -
Posted by ブクログ
シュールさと同時にリリカルさも感じるホラー短編集。奇想天外な設定ながら、ふいに引き込まれてしまう物語も多いです。
そこそこオーソドックスなホラーとしては表題作「呪いのウサギ」「楽しい我が家」がお気に入り。「呪いに使われる道具ほど、美しく作らなければならない」という言葉が妙に残ります。そしてその言葉の通りにあまりに美しいウサギのランプが引き起こす呪いの恐ろしさ……実に恐ろしいです。
シュールさ全開で面白いのは「頭」「月のもの」。どちらも主人公の立場からすると、恐ろしいというよりもひたすら嫌だなあ、という気にさせられます。あまりに理不尽で不可解。だけどいったいどうなってしまうのか、わくわくしながら -
Posted by ブクログ
最初の一編が表題作「呪いのウサギ」なのですが、淡々とした語り口でどんどんと凄惨で容赦のない破滅を描き切っていて、なかなかのインパクトでちょっとばかりぎょっとしました。ただただ静かにひそやかに、いっそ詩を諳んじるかのような静々とした手つきで、グロテスクな残酷を描いていたのです。
その手管はどの短編にも発揮されていて、だからどのお話もアンハッピーに近いものばかりです。けれど、さほど後味の重さは感じないのです。なぜかと考えてみると、話それぞれの悲劇や苦痛のどれにもまったく寄り添わず、あくまで傍観者として、悲劇を遠巻きで描いているからかなと思えました。感情を描くのでなく、事象を描くことに尽くしている