キム・キョンスクのレビュー一覧

  • クローバー

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    ネタバレ

    極貧と言ってもいいジョンインの生活。そこへ黒猫の姿をした悪魔ヘレルが近づき、あの手この手で誘惑しようとする。
    普通ならころっと落ちても不思議ではない状況だけど、ジョンインの心の奥底には揺るぎない芯のようなものがある。本人も言うとおり、必ずしもいつも「正しい」振る舞いをするというわけではない。バイト先のハンバーガー屋の店主が、自分で消費期限無視のオペレーションをしておきながら、バレたらジョンインのせいにしたのがゆるせなくて、仕返しに店のガラスを割ったりもしている。それでも悪魔の導きで様々な欲望の光景を魅せられたあと、結局はそれを選ばずに引き返すだけの強さを持っている。

    引き返したからと言って、ジョンインの状況は何も変わってはいない。けれども誠実な彼に手を差し伸べたいと考えている人たちはいるのだ。それを「哀れみ」と受け止めて撥ねつけてきた過去のジョンイン。果たして自分の弱さを受け入れ、差し伸べられた手を握ることはできるのか。

    作者のあとがきを読むと、ジョンインの中には作者自身が多分に反映されているのかなという感触を受けた。どうかふたりとも幸せになってほしい。

    あ、あと、重たい内容でありながらユーモアと詩心のある語り口がとても魅力的だった。
    「陽光は灼熱しながら、その下にいる者たちを働かせるが、月明かりはとろ火でじっくりと蒸らしながら、思惑という湯気を噴く」2025.11

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    2026年09月23日
  • クローバー

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    韓国ファンタジー文学。貧しく修学旅行にも行けない主人公と、猫の姿をした悪魔を中心にストーリーが展開される。
    貧しさを嘆かず、かといって美化せず、淡々と環境に向き合う姿が妙にリアルで心打たれる。きっと生まれ持った環境こそ「あたりまえ」だから、疑問も不満もなく折り合いをつけることしかできないんだろう。貧困がテーマでありながら、悪魔との掛け合いはユーモラスな部分もあって面白い。
    また、キリスト教聖書からの引用も多々あったのは、韓国の宗教観かもしれない。文化の違いが興味深い。

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    2026年09月02日
  • クローバー

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    韓国の貧困層の中学生の話。
    選択肢がなく、ただ毎日を生きるしかなかった少年を惑わす悪魔と出会い、迷いや葛藤が軽やかに語られていく。
    穢れのない少年に差し伸べられる手は間違いなくある。そこに希望がある。

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    2026年03月25日
  • クローバー

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    ジョンインは両親のいない中学3年生で、おばあちゃんと暮らしている。修学旅行費の家庭通知を受け取り、“行けない”修学旅行に“行かない”選択をするジョンインを、クラスメイトのテジュたちが貧乏人だとからかう。そんな彼らを避けて学校裏庭にあるゴミ捨て場でしゃがみ込んでいたジョンインは、不思議な黒猫に出会う。家までついてきたその黒猫は、休暇中に地獄から韓国に来ていた悪魔のヘレルだった。ジョンインの魂が食べたくてあの手この手で「欲」に気づかせようとする悪魔ヘレルは、「もしも」と願えば何でも叶えてあげると言い寄ってくる。

     原題は「悪魔と少年」だそうで、内容からすれば、そちらの方が合っている。子供向けには、悪魔の文言がきつすぎると考えたのか。クローバーは登場するが、やはり存在感といえば、悪魔だろう。

     あのキリストまで荒野で誘惑しようという位だから、人間ができてない、成長過程の少年なんてちょろい!と思いきや、意外と難航する。まあ、ねばらず次に行ったのは、悪魔もジョンインの内に秘めた強さをわかっていたのでは。貧しい中学生の男の子ジョンインが、黒猫に扮した悪魔「ヘレル」と過ごす不思議な一週間の物語。

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    2026年09月12日
  • クローバー

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    貧しい暮らしの中で必死に生きる少年と、願いを揺さぶる黒猫(悪魔)の物語。夢や希望を持つ余裕すらない現実が重くて、無理をしている心情に胸が締めつけられる。少しずつ変わっていく気持ちの描写がとてもリアルだった。

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    2026年04月29日