林奕含のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれだけの密度のある小説だと、一読で理解するのは難しいので、大抵はもう一度読みたくなる。ただ、この小説は、もう一度この文章を目にすることが本当に嫌になる、そんな辛い小説だった。この本が唯一の著作で、出版から二ヶ月後に亡くなったという著者の言葉を借りる以外に説明のしようがないが、「誘惑された、あるいは強姦された女の子の物語」ではなく、「強姦犯を愛した女の子の物語」である。
13歳の頃から、尊敬していた塾講師「李国華」によって強姦され続けた少女「房思琪」は、大学生となったとき、ついに発狂し、正常な精神を失ってしまう。李国華によって縄で縛られ、強姦されようとしているとき、彼女が、正常な精神を失った