よく食べる子、というか食欲に貪欲な子は逞しい。
そして、とても微笑ましい。
穢れや事件の多い宮中に、父親に半ば騙されて連れてこられた毒味役の主人公がまさにそれで、とても好感が持てた。
恐らく黒弾正にとっても、そうだっただろう。
気がつけば、常に彼女のそばにいる状況。
彼女を隣に連れていなくてもいい場合でも連れて行っているので、これはね、もうにやにやするしかない。
彼の場合、初手で心を驚掴みされているので、やむなし。
それはお互い様だったけれども。
動物の変死、毒殺未遂が何回か。
幽霊騒ぎ(時代的には怨霊か)に呪いと、宮中はひたすら物騒である。
それを食事に関する貪欲さや雑学、時には嗅覚まで駆使して、顔を常に隠した黒弾正と一緒に解決していく物語。
結構様々な事件が起きるが、その度に黒弾正が主人公の彼女の知識に助けられ、また主人公も黒弾正の助言を受けて自分でも謎解きしていく姿が、見ていて微笑ましいやら、頼もしいやら。
宮中に変な入り方をしたものだから、最初は煙たがられていた主人公も、食べることに純粋なところからどんどん好かれていく様を見るのも面白かった。
最終的に、味方増えてるしなあ。
ある意味、天性の人たらしかも。
黒弾正の正体は、まあ予想通り。
予想通りの予定調和なので、安心してニヤニヤして見られるという。
ただ今回の事件の黒幕が、実にあっさりバレたのは、ちょっと勿体なかったかも。
まあ、今回の件で得をするのは誰となると、あの人しかいない訳だが。
残りページ数で決着つくのかとひやひやしていたので、まさかああいう落ちとは思わず。
別の意味でびっくりした最後だった。
ともあれ、にやにやバディはまだ続けられそうである。
どこまでも食事への貪欲さと知識、そして天性の人たらしで宮中の騒動をこれからも乗り切って行ってほしいなと思います。