家関係の本は、何冊か読んでいる。
夫の仕事の関係もあり、少しは知識や情報が入って来る。
今回モニターで当たった本、「そうか、こうやって木の家を建てるのか」は今まで読んだ本と
同じような内容(この建て方が良い、○○工法が素晴らしい、など)かと思いきや、全く違った。
この著者、田鎖氏は元総合商社の木材本部に在籍され、当時は輸入木材をメーカーや工務店に
卸す業務をされていた方だった。その時に沢山の住宅施工会社を見て来られた。
その知識を生かして、企業。今の住宅事情に、業者、消費者(施主)両方に対してアピールする
ネットワークづくりをされている。
そしてこの本は、その消費者(施主)に対して「どうしたら良い家がつくれるか?」のポイントを
分かりやすく基礎的な知識から(歴史も!)、施工業者の選び方、施工例をカラー写真でまとめてある。
その中で面白い内容を紹介。
家を建てる予定がある著者の友人が、三社(ハウスメーカー、設計事務所、工務店)にコンペを依頼。
友人に家の各場所にポイント配分してもらい、それをもとに三社の出して来た設計図(同じ設計ソフト
使用)に採点してもらう。
この友人はどれがどの業者かは知らされていない。そして面白い結果が出る。
また、予算に対しての見積りの内訳の裏話もあって、これも驚きの話だった。
驚きと言えば、間取りや好立地(この本では東南角地が例)に対してのメス(どう表現していいか・・・
でもこの著者の切り口はメスに例えるのが一番良いと思う!)。
分かりやすく間取り図や立地図を入れて(坪単価も入れて)説明してくれる。チラシで見ているものと
一緒だ。だから、すんなり言葉が入ってくる。そして業者の裏側が分かってくるのだ。
業者からしてみたら、あまり良い本にはならないのであろう(著者もあとがきに記してある)。
でも細かいチェックシートをきちんと理解して、それをもとにこういう家を建てたいと想いが
あり、「よしやりましょう」と言ってくれる業者がいたならば、そこで先ず良い信頼関係が
結べるのは間違いないと思う。
著者の想いは強い。そして素敵だ。業者側でもなく施主側でも無い。両方を結びつける役目を担い、
遂行しているかのようだ。(でもこの本は施主側に対してのものであり、あとがきでは「正しい
消費者は正しいマーケットをつくる」と記している)
最後に著者の言葉(あとがきより抜粋)
あなたの家が、20年後ーいや200年後の家族も幸せにしてくれますように。
地域のあり方、環境への配慮、全てを考慮してある家づくりは、今この時代だからこそ考えて行きたい。