佐藤さとのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「セックスの時、茜はいつも痛みばかりを求めてくる(柊生)」
〝I was relieved when I felt the pain. Because I was happy to confirm that he was alive.〟
Eros度★
おやおや。これは単なる「痛み」を題材にしたBLではありませんでした。『666DOPES』が描いているのは、「誰かを愛することは、その人の過去ごと受け止めようとすることなのだ」という、とても静かで、それでいて激しい決意です。
物語の中心にいる茜は、自傷という行為を通して自分の存在を確かめ続けてきた青年。一方の柊生は、そんな茜を変えようとするのではなく、「どうしてそうなったのか」を知りたいと願い続けます。「俺はお前のことが好きだから、自傷する理由を知りたい」という台詞には、恋人として寄り添いたいという覚悟と、不安や焦燥がないまぜになった切実さが宿っていました。
特に印象的だったのは、柊生が「隣にいるのに、こんなにも遠い」と感じる場面です。身体は触れ合えても、心には届かない。そのもどかしさが胸を締めつけます。そして茜が「本当の俺を知ったら別れるって言われるんじゃないか」と胸の内を明かす場面では、彼が恐れていたのは過去を知られることではなく、自分自身を否定されることだったのだと気づかされました。互いを想うほど傷つき、傷つけてしまう二人の心理描写があまりにも繊細で、ページをめくる手が止まりません。
終盤、茜が「痛みを感じると安心した。生きていることが確認できて嬉しかった」と語る場面は、本作の核心ともいえる一節でしょう。その言葉を受け止めた柊生の「俺は今の茜が好きだし、知れて嬉しいよ」「誰かになれなかったお前だから好き」という返答は、救済を押しつけるのではなく、一人の人間として丸ごと愛する強さに満ちていて、思わず胸が熱くなりました。
濡れ場も非常に印象的です。刺激を目的とした描写ではなく、その時々の二人の心の距離や痛み、愛情の形を映し出す「会話」のような役割を担っています。身体を重ねるたびに感情の意味合いが変化していく構成が秀逸で、恋愛描写としても非常に完成度の高い作品でした。
ロックを奏でるように激しく、それでいて驚くほど繊細。痛みと愛、生と自己肯定が一本の旋律として響き合う、唯一無二のラブストーリーでした。 -
ネタバレ 購入済み
そこまでグロくない
絵がすごいこのみで買いました!
自分の存在理由がわからなくて自傷しちゃう茜
自傷する理由を知りたいし心配する柊生
複雑っちゃ複雑だけど、お互い大好きでいい方向に向かって行けるのがすごくいい
母親に会ったところら辺もう少し掘って描いて欲しいなと思ったけど、これはこれでいいのかな
茜の自傷が少なくなっていってくれればいいなと思います! -
Posted by ブクログ
ネタバレついに単行本が出たので買いました。
インディーズバンドのメンバー同士で、既に付き合っている2人。受けに一目惚れした攻め×掴み所のない自傷癖受け。自傷・トラウマがテーマなので、苦手な人はやめときましょう。
基本的に、攻め視点で描かれている。
攻めの一目惚れをきっかけに2人は付き合い始めるが、受けの自傷癖をきっかけにすれ違い。攻めの一途さに救われたかなと思う。
受けの辛い過去回想がある、ストーリー性・読み応えがあって良い。
リスカなど自傷、OD匂わせがある(受け)。
攻めはそこそこ健全な人。
エロあり。受けが、致してるとき攻めに受けの自傷の跡を触るように言うシーンが序盤にあって、これは読む人選ぶなと感じた。
話の終わり方は「夜明け」。しかし、世界観の仄暗さは残るので、胸糞に感じる人がいるかも知れない(私はそうでもなかった)。重苦しくはないので読みやすい。話もキリが良いところで終わる。
病み系の雰囲気とBLが好きな人は読むべきだと思う。