ダーヴラ・マクティアナンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★5 学生カップルの失恋トラブルが、家族同士の熾烈で歪んだ争いに発展し… #ニーナに何があったのか
■あらすじ
大学生で恋人同士のサイモンとニーナは、別荘で休暇を過ごしていた。しかし帰宅してきたのはサイモンだけで、ニーナとは別れ話の後、行方は知らないという。
心配で仕方のないニーナの母リアンは、何度もサイモン家を訪れるも、サイモンの両親に無愛想な態度をとられる。さらに警察に捜索依頼をするのだが、彼女は杳として行方が知れない。果たしてニーナに何があったのか…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 おもろい! そしてシンプルかつ分かりやすい!
そう、まず本作で推したいのは、めっちゃ読みやすく内容が理解しやすいという点なんです。
海外ミステリーって嫌厭されがちなんですよね。文章の密度が濃いとか、名前が憶えづらいとか、海外の文化がわからないとか、うんうん、確かにわかるその気持ち。
本作は主要人物は数名ですし、構成もシンプルで時間軸や場面が行ったり来たりすることはありません。また三人称進行の小説ですが、必ず各章の最初にキャラ名があげられて、その章はその視点人物で語れるから混乱しないんです。
ストーリーも人間関係も分かりやすいし、文書や会話のやりとりも日本人に合ってると思いました。海外ミステリー初心者の方にも是非おすすめしたい作品です。
しかし若かりし頃の恋愛ってのは、華やかで未来があって素敵ですよね~。誰しもひとつやふたつ大切にしたい思い出があったりするもんじゃないでしょうか。さて本作はそんな大学生の若いカップルの物語、しかし甘く優しいお話ではありません。
カップルが別れることになり、それをきっかけに彼女が行方不明になってしまう。彼女の両親は心配のあまり躍起になって行方を探すのだが、彼氏の両親は息子を守るために大金を使って対抗するという、家族VS家族のお話なのです。
端から見てると醜い争いなんだけど、気持ちとしては凄くわかるんだよね。失恋トラブルに巻き込まれたの子どもたちのために、互いの両親はひたすら愛情を尽くして、やれることをすべてやるんです。たとえ常識外れなことですら…
我が子を想う深い愛情が、少しずつ歪な言動に表れていく様子が怖いんすよ。これがリアルでさー、ひょっとすると自分もこうなっちゃうのかもしれない。
そして物語の中盤になると、ぐぐっとスリラー味が増してくる。あーそうなんかい、そんなことやっちゃうのかい… という展開になり、後半に入るともうクズっぷりがエグい、許せない。
ラストスパートは気持ちの良いくらいのシンプルかつわかりやすい。文字通り一気読みの面白さでした!
■ぜっさん推しポイント
本作ではSNSやネット社会の醜悪さも描いています。
関係する人たちや家族はこんなにも必死なのに、関係ない奴らは好き勝手言い放題。心で応援するだけで、良いも悪いも言わなくていいの、ほっといてあげなよ。
というか心配も応援もする気がないんだよね、単に自分のストレスのはけ口に使ってるだけで。現実世界でも嫌と言うほど見てるけど、もっと建設的なことに時間を使ってほしいですよね。 -
Posted by ブクログ
大学生のニーナは交際しているサイモンと別荘で過ごしていたけれど、帰宅したのはサイモンだけだった。喧嘩をし別れ話をしたと言い、それきりニーナを見た人はいなかった。ニーナの捜索が始まり、SNSはニーナやその家族への誹謗中傷や噂話で溢れていく。その渦中にあるニーナの家族の心情と、疑われていくサイモンと家族の心情と、子供を家族を守るためにどこまでできるのか。なにができるのかということがそれぞれの痛みとともに描かれていく。SNSで広まっていく声とそれを面白がる人間の愚かさ、巻き込まれていく事件の当事者たちの絶望感が決して他人事とは思えない怖さがある。
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Posted by ブクログ
ネットの悪意は、悪とも思っていないんだろうけれど本当に怖い。
簡単に拡散されてしまう時代だからこそ、慎重にならなければいけないな、情報を正しく取捨選択しないとな、と改めて感じた。
ニーナに何があったのか?
の大筋は冒頭に大体分かる、が、中弛みする事なく読めた。
ニーナとサイモンの両親+警察側の目線で進んでいく。
ニーナの親は、ただがむしゃらに娘を心配し、真実を知る為に行動しているのが分かる。感情が行き過ぎて暴走してしまう事もしばしばあるが、それもニーナへの想いが根底にあるんだと理解できた。
対してサイモンの親はどちらも息子を心配しているというよりも、なんだか自分を、世間体を一番に考えている気がしてしまって、何とも言えない溜息が出てしまった。
そんな中、警察マシュー目線が、とても事件を俯瞰で捉えていてそこで上手くリセットされる感じが良かった。
スッキリとした終わりでは、決して無い。
映像化に向いている題材に感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ傍目にはキラキラお似合いカップル、幼なじみのサイモンとニーナ。
サイモンの家の別荘で過ごした週末を境にニーナが失踪。サイモンは「ニーナとは別れた。ニーナを残し一足先に先に帰ってきたので知らない」と言う。。。
序盤の失踪をめぐる真相の不透明加減は『ゴーン・ガール』を彷彿とさせるサスペンス色強し。
次第にSNSでの情報発信、流言流布に翻弄される関係者達の憐れとも思える奔走ぶりが海外版『俺ではない炎上』のようだった。
とにかく登場人物(サイモンとニーナの親、家族達)のほとんどの言動が浅はか、軽率、後先考えない、頭の中は自分サイドのことばかりで心地悪い。
自分の子どもの将来、安否が掛かる状況なので四の五の言ってられないという焦燥感がもたらす言動の荒れっぷりはある程度の説得力はあるもののちょっとやりすぎ。
唯一、事件の解決を担当する刑事マシューの冷静な対応に心落ち着かされる。
そういう意味では安全地帯を設けつつ、ビターな感じを楽しませる狙った構図なのかもだけど自分的にはえぐみが勝ってしまった。
結末までのマンネリ感といい、結末の皮肉の力技加減といい、全体的に先行作品達の二番煎じ感が否めないかなー。
最後の最後の幕の閉じ方は乙な演出で好き。 -
Posted by ブクログ
休暇中に山間の別荘を訪れた大学生、ニーナとサイモン。だが帰ってきたのはサイモンだけ。別れ話になり先に帰宅したと言うが、挙動不審な上、その後ニーナの姿を見た者はいない。謎が深まるなか、一方の親は記者会見で捜索を訴え、他方は息子を守るべく大金でPR会社を雇って対抗する。サイモンが殺した、自作自演だ、親が怪しい……憶測と誹謗中傷の嵐の先に暴かれたのは恐るべき真実で。
サイモンが語る、二人の最後の数時間に何が起こったのか、説明には矛盾が残る。ニーナの両親は警察に事情聴取を迫り、サイモンの両親は彼を守るために奔走。高額な弁護士とPR会社を雇い、容赦ないメディアキャンペーンを次々と展開。
やがて、非難と反論の渦に巻き込まれ、事実は忘れ去られていく。誰もがどちらかの側を選び、机上の空論や突飛な陰謀論、そしてニーナのソーシャルメディアから拾った美しい写真によって、この話は拡散していく。ジャーナリストたちが殺到。本質がどんどん忘れられていき、事実無根のスキャンダルで誹謗中傷される。人の嫌な面が表出してきて、何人かの自己中心的な考え方に、かなり苛立つ。
三人称で各登場人物が語る形式。それぞれが見えている部分、考えている部分しか書かれていないため、全容はなかなか見えてこない。但し、邦題の問いかけに対する答えはかなり早めに明かされる。
映画化が企画。