茂木大輔のレビュー一覧
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【library222所蔵】
のだめの監修で一躍名前を売ったN響オーボエ奏者の茂木氏のエッセイ。
氏のエッセイはどれもとてもわかりやすくて面白い。
これは氏がヨーロッパオケのオーディションを受けまくり、あるオケの正式メンバーとなるまでの顛末。
オケのオーディションの裏側、そしてまさしく「ガクタイ」(オケの団員のこと)と呼びたくなるようなオケメンバーの素顔、ヨーロッパの日常におけるクラシックのありかた・・・・どれもとても生き生きとしておもしろい。
これを読んだらヨーロッパのオケを直接聞きに行きたくなること間違いないなし。
それも、一流のオケでなく、地方のローカルなオケを。 -
Posted by ブクログ
ついこの間、指揮者佐渡裕さんの本を読んだばかり。
今回は逆にオーケストラのメンバーの側からの本を選ぶ。
N響の主席オーボエ奏者の著者が、オケ活動(特に旅、茂木用語ではビータ)の日々の傍ら、自主企画のコンサートを催したり、CDを録音する。
クラシックの演奏家は、勿論コンサートのプログラムを考えたり、レコーディングの時にはサウンドチェックをするんだろうとは漠然と想像していたが、想像を上回るハードさ。
演奏家自身が集客の心配もするのね...。世の中厳しい。
N響のツアーでも、ダブルブッキングで部屋がないとか、ホテルのぼや騒動に巻き込まれるとか、まあ、本当にいろいろあること。
そのあたりを面白おかしく書いていくところが、この人のサービス精神なんだろう。
一番印象的だったのは、デュトワとのリハーサルの話。
ただのコンサートの時は、短い時間で、要所を押さえ、それでいてオーケストラに、自分の思うところを表現させる手並みの鮮やかさ。
しかし、レコーディング前は、メンバーも滅入り、茂木さんも「後頭部毛無紳士」なぞと悪態をつくほどの厳格さを求める。
こういうことを積み重ねて、あのN響の大変化があったのだなあ、と舞台裏を見た思いがした。
その後の、アシュケナージ時代や、現在のヤルヴィとのことも読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
茂木さんの本は4冊め。
古書店で手にした。
タイトルから、この人がいろんなところで発言したり、書いたりしているフライング拍手撲滅キャンペーンだろうと見当がつく。
もちろん、余韻が消えていくのを静かに味わいたいというのはよく分かるけど、あまりそれを言いすぎても、ますますクラシック音楽の敷居が高くなってしまう気がしていた。
いいじゃん、いろんなお客さんを許容しようよ、なんて思ってきた。
これだから日本の聴衆は、みたいにお説教されているみたいな気分なのだ。
で、なぜこの本を買うことにしたかというと、この本、なんと著者サイン本だったのだ。
読んでみるとやっぱり面白い。
ベートーベンの交響曲第七番は、実は作曲家の生前、一番成功して、経済的なペイもあったという話など、知らないこともあったし。
例の拍手の話にしても、各国での違いとか、オーケストラのする拍手(弓でたたく、足踏みをする)の違いとか。
時々、茂木さんのギャグがわからない時もあったけれど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレクラシックをコンサート会場で聴くにもルールがある。
初心者にもわかりやすく解説した鑑賞術が本書。お得感あり。
まずは、クラシック音楽の幕開け、古典派時代について。時代的には18世紀終わりから19世紀初めで、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンが活躍。特徴は、過剰な感情の肉付けや装飾を排し、技法的に厳格正確、音楽的に飽きの来ない考え抜かれた珠玉の作品が多い。
そして、ライブならではの魅力を語り、拍手を分類する。以下は、作者による拍手の種類とそれに相応しい該当曲。
・来賓の拍手(儀礼的)ドボルザーク第九番
・料亭の拍手(投げやり)チャイコフスキー第六番
・殿様の拍手(ねぎらい)ブルックナー第四番
・シンパの拍手(共感)シベリウス第二番
・アイドルの拍手(感動、神格化)ブラームス第一番
・母親の拍手(愛情、妄信)シューベルト第七番
・国民の拍手(参加型、日和見)シューマン第三番
・国会の拍手(退屈)プロコフィエフ第六番
続いて、拍手のタイミングを間違いやすいのは、チャイコフスキー(交響曲第5番・6番、ヴァイオリンピアノ協奏曲第一番など)に集中。
以下は私の備忘録。
・NHK交響楽団の定期公演ではアンコール無し
・フライング気味拍手⇒そもそも演奏の余韻に浸ることなく拍手が出来るということは、音楽に集中していなかった証左
・万が一演奏後の拍手が起こらなくても、指揮者やステージマネージャーが色々と拍手の合図を出してくれる
・フライング拍手要注意曲目リスト
教会音楽全般、交響曲(ハイドン第45番、ベートーヴェン第6番、シューベルト第8番、メンデルスゾーン第3番、ブラームス第3番、チャイコフスキー第6番、ドボルザーク第9番、マーラー第9番、Rシュトラウス全般)
・ロシアのクラシックコンサートは時間通りに始まらない、客がうるさい
・山下洋輔トリオのライブ盤「クレイ」での観客の熱狂的反応の凄さ
・NHK交響楽団の定期公演ではリハが3日もある(理由は、デュトワ、サヴァリッシュ、サンティ、チョン・ミョンフン、プレヴィン、メータ、シュタインなどの巨匠指揮者によるNHK交響楽団の技量向上の機会としての意味合いもある)
・弾き振りの代表名曲は、アンドレ・プレヴィンのモーツァルトピアノ協奏曲
・暗譜で指揮ができるのは音楽の天才だから
・名曲のスコア(ポケットスコア)を眺めながら聴くのはおすすめ
・調別特徴と代表曲
ハ長調(明快)モーツァルトジュピター
ニ長調(祝祭的)モーツァルト戴冠式
変ホ長調(壮大)ベートーヴェン英雄
ヘ長調(田園的)ベートーヴェン田園
ト長調(男性的)バッハブランデンブルク協奏曲
イ長調(情熱的)ベートーヴェン第7番
変ロ長調(内向的)ベートーヴェン第4番
イ短調(感傷的)シューマンピアノ協奏曲
ロ短調(繊細)シューベルト未完成
ハ短調(壮絶)ベートーヴェン運命
ニ短調(女性的)モーツァルトドン・ジョヴァンニ
ホ短調(激情)バッハマタイ受難曲
ヘ短調(苦痛)チャイコフスキー第4番
ト短調(疾走感)モーツァルト第40番
・コンサートプログラムの基本的構成は、小品(序曲、前奏曲)、協奏曲(協奏曲やアリア)、メイン(交響曲、交響詩、組曲)
・小品があるのは遅刻した観客を救うため
・交響曲の構成は、楽章数が4で、第1楽章がソナタ形式、第2楽章は緩やかで美しい曲調、第3楽章は三拍子のメヌエットかスケルツォ、第4楽章はユーモラスで快速なフィナーレで大編成の管弦楽が入る
・コラムには簡単な交響楽的音楽史も
・また、交響曲のカレンダーと称して、各月や数字にちなんだ曲紹介も