林峻一郎のレビュー一覧

  • 「ストレス」の肖像

    Posted by ブクログ

    ストレスの研究は生理学的な領域で進められた。外部の環境と生体の内部環境、自律神経のコントロールによるホメオスタシスなどをベースにセリエによる一般適応症候群が見出される。やがて物質から社会心理的ストレス因が問題視されるにいたって、生活の変化への対処や日常への認知行動といったコーピング理論が生まれ現在にいたっている。心と身体というデカルト以来の議論は、われわれのもっとも身近なところにある。
    最近の学問の花形とも言える脳科学の知見も著者は早々と導入し、大脳辺縁系(下等動物にもある旧い脳)に制御される“情動”がストレス対応への源であると指摘する。生体の崩れたバランスを回復させる実動部隊、内分泌系、免疫

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    2011年06月20日