山森英輔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
OSO18(オソ18)と名付けられたヒグマ。
道東地域、標茶町を中心に2019年から4年にわたり牛を計66頭襲った。足形の横幅が18センチである事から大型のオスと推定された。一度に複数の牛を襲う。殺して食べるだけでなく怪我をさせるだけだったり、まるで、襲う行為を楽しむかのように。人前には姿を見せず仕掛けた箱罠も簡単に破り、2度とかからない。人々はあらゆる手段で捕獲、駆除を試みる。
異形のヒグマ、確かにそうだ。
草食と肉食両方兼ね備え、知恵もある。
広い地域に出没し、国道272号線を何度も横断している。無人カメラに写り込み、足形、糞があればその痕跡を追うが、見つからない。
「オレが仕留める」腕に覚えのあるハンターはそう思ってただろう。
人々がOSO18に対して抱く感情も複雑だ。憎しみ、恐れと同時に尊敬の念もあったかもしれない。
便宜上、この個体をOSO18と名付けた事により、恐怖が増大したという見方もなるほどと思った。
そして
結末が凄く興味深い。それはそれで伝説になりそう。
先日、裁判で猟銃保持の権利を取り戻した熟練ハンターが記者に熊との共存を問われ、
「そんなの無理。熊の頭を撫でてみろ。お腹から食われるんだよ。」と一蹴していた。
遠く離れた地域に住む私はハッとさせられた。現場の実情を伺い知る。ヒグマの地域に住む方、携わる方のご苦労を実感し敬う。できる事はそれぐらいか。
そろそろヒグマが冬眠から起きる時期にさしかかる。被害が出ない事を祈るばかりだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ手に取るきっかけはラジオ内砂鉄堂書店の砂鉄さんの話を聞いていた息子の頼み。9歳には難読漢字が多く、ほぼすべて読み聞かせた。
評価は2か3で迷う。正直2だけれど、綿密な取材に敬意を表して3に。
NHKの2人のディレクターの取材記録。
これはノンフィクション?
OSO18を実際に目にできなかった2人だから仕方がないが、エピローグがポエムすぎる。OSO18の最期の描写(2人の想像)などはテレビ用の絵コンテを書き起こしたよう。
それ以外にも、ところどころがかなり客観性に欠ける決めつけのような表現があり、つっこみたくなる。自分たちをかっこよく書きすぎなのかもしれない。
ノンフィクションとしては微妙だけど、ネットニュースより詳しくOSO18のことを知りたい人には一読の価値があると思う。
さて、OSO18はあっけない最期の一報も記憶に新しく、映像でも文筆でも題材としてはおもしろいに決まっている。
テレビ番組制作のため、謎のヒグマOSO18の姿とその捕獲の瞬間をどうしてもカメラに押さえたい2人。OSO18を通して、人を撮るのだと。
テレビ番組をつくることへの執念のみで動くNHK2人は、町の安全のために駆除に奔走しているハンターたちと気持ちがすれ違う。かなりあからさまに避けられているが、その理由は書かれていなくてぼんやり。謝罪したとは書いているが、NHK2人が何をしたか書いたらいいのに。ノンフィクションぽくないのは、そういうとこだぞ。
矛盾もある。藤本さんが入院している期間に、藤本さんがOSO18を目撃した、との記録。一時退院してたのかな?だったら書いて欲しい。退院祝いの焼肉の盛り上がりにいまいちついていけなかった。
プロデューサーの「テリー伊藤」発言でのNHKのノリがわかる記述は良かった、ちょっとズレているテレビ局の人たちって感じで。NHKの軽薄なノリがハンターに受け入れてもらえなかったのかなってぼんやりと浮かび上がる。
テレビではOSO18を通して人が描かれていたのかもしれない。
でも、この本ではNHKや2人の仕事や世間からどう思われているか、そこも浮き彫りになっているように思う。
ハンター側の藤本さんもOSO18の顛末を書かれているそうなので読んでみようと思う。