カリベユウキのレビュー一覧
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第12回ハヤカワSFコンテストでは2つの作品が大賞となったが、どちらも読み終えて全く納得いかなかった。この2作品はとてもSFとは思えない。辛うじて、設定の奇妙さに重きを置いて読めばSFと言えなくもないが、それでもとても大賞とは思えなかった。選考委員の評価もバラバラで、実際に評価は二分された。特に神林長平の選評は酷かった。自分が推した作品(羊式)の良さを高評価するのではなく、自分が推した作品を読んでそれに感動した自分の感性を他の選考委員に強要するというトンデモ評価をしてくれた。こんな書評はあり得ないだろう。作者に対しても失礼極まりない。即刻、神林は選考委員を辞めるべき。
選考委員の東浩紀は、今 -
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何より面白かった!これに尽きます。最初は不気味なホラーで始まり、これがどうミステリーやSFに展開していくのか??という感じでした。怖いのだけど次を読み進めてしまうドキドキとワクワクがあります。そこから後半畳み掛けるような疾走感も読む手が止まらなかった。
ギリシャ神話、そして生命のあり方など壮大な話につながる展開は、果たしてその描写がどこまでリアルかは判断しかねるものの知的好奇心もくすぐるエンタメ。怖い描写はなかなかに想像力をかき立て頭に鮮明に浮かぶのでホラー苦手な人には結構怖いかも。とにかく非日常に入り込んでで「おもしろい!」と感じれる1冊でした。 -
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▼ハヤカワの新人デビュー作。基本、ホラーと呼ばれるものは読まないのですが、今回縁ありまして。結論としては、文章が良ければ、面白く読めるんだな、と。
▼売れない女優の佐枝子が、怪異現象が起こる団地にレポーターとして棲みつくことから起こるお話なんですが、前半途中から、謎の女・春日ミサキが出てきます。もう忘れつつあるのですが、
佐枝子=売れないけど売れることを諦められないパッとしない30前後。
ミサキ=どこか自己完結した凛々しい謎めいた25歳前後。
くらいな印象なんです。
そして、徐々に物語は色んな怖い怪異とパラレルで「ミサキがなにものなのか」という話が展開して、同時に「ミサキが怪異と対峙、戦 -
Posted by ブクログ
売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻繁する怪奇現象のドキュメンタリー映像のレポーターをすることになる。
その脚本家と話をしたところまでの記憶はあるが、酒のせいで気づくとすでにその団地の一室で寝ていた佐枝子。
現地スタッフの大学生の真野といっしょに団地内の怪奇を探るべくインタビューを始めるのだが…。
団地内で大蛇か這いずったような跡や浴室内の壁にある鱗など、どうやら調べると10年前に老婆が殺されてから呪われているらしい…。
初日にベランダから双眼鏡でのぞいていたら、逆にこちらを伺っていたファミレスのウェイトレスの春日ミサキが何か知っているよう…。
怪異というよ