アラン・ドラモンドのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
絵本ではあるけれども、子ども向けではない。
『おさるのジョージ』の産みの親であるH・A・レイ、レイ夫人の半生を描いたものである。
ドイツのハンブルグで生まれたハンス・アヴグスト・レイヤースバッハは、1935年にマルガレーテ・ヴァルトシェタインと結婚する。
彼らは1933年ナチスが台頭していた時はブラジルに住んでいて、生活の拠点もそこだったが、結婚を機にヨーロッパに戻りパリで暮らすようになる。
しかし1939年に戦争が始まり、夫人がユダヤ人であることを理由にパリを出て、アメリカに向かうことになる。その道程について紹介した本なのだが、丁寧に手記や当時の記録などを紹介しているため、当時がどれだけ混乱のさなかにあったのかが伝わる。戦争という大きな渦が巻き起こす悲劇と同時に、したたかでたくましい人々の生命力が感じられて面白かった。