キミ・カニンガム・グラントのレビュー一覧

  • この密やかな森の奥で

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    ネタバレ

    自分でもびっくりするほどラストで号泣してしまった。小島秀夫が帯で書いてるように本当に善良なハードボイルドだなあ〜と思った。序盤は日常が長く続くので結末を全く想像せずに読み進めていたけど、写真が新聞に載った瞬間別れを確信して号泣していた。

    本当のラストはフィンチが言ったように正直者が帰って来れたので、心から嬉しい。

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    2024年10月21日
  • この密やかな森の奥で

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    ★5 父と娘の愛おしくも苦しい物語、ラストの台詞はきっと涙が止まらない… #この密やかな森の奥で

    ■あらすじ
    アフガニスタンで従軍していたクーパーと、その娘のフィンチ。彼らは静かな森の奥でひっそりと暮らしていた。仲睦まじく暮らしている二人だったが、クーパーが過去に罪を犯してしまったことから、表立った生活はできなくなっていたのだ。ある日、森に見知らぬ少女が現れ、二人の隠れ家が明るみになる危険性が出てしまい…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    森が目の前に広がる…太陽の木漏れ日、爽やかな風の音、動物たちの鳴き声、樹木と草の香り。そんな人気のない山奥が舞台にした、父と娘の物語です。

    はぁ~この二人

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    2024年04月17日
  • この密やかな森の奥で

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     本書は、わけあって森で隠遁生活を送っている父と娘の物語。前半はほぼ森の生活の描写に費やすが、父と七歳になろうとする幼い娘との森の中の隠遁生活はメルヘンのようだ。不思議な独り暮らしをする森の隣人以外、誰もいない世界で父は娘を育てている。

     それにはもちろんわけがあって、主人公は特殊部隊の兵士という過去を持ちその経験は誰にも言えない。当時の部隊仲間だった友人ジェイクだけが年に一度膨大な食糧や生活必需品を携えて彼らのキャビンを訪れる以外、人に会うことはない。7歳になろうとする娘の生きるパワーと父娘の愛情、そして森という生命に満ちた舞台そのものが作品の前半を組み立てるが、ミステリー的要素はさほど感

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    2024年02月03日
  • この密やかな森の奥で

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    ネタバレ

    キミ・カミンガム・グラントの初訳。デビュー作ではないようで。

    ある罪を犯して逃亡中の父クーパーと、何も知らずに森で暮らすその娘フィンチ。一年に一度だけ、親友のジェイクが物資を運んでくれるのだが、約束の日に来なかった。最後の手段として、近くの街へ買い物に出かけるが。。。

    非常に読みやすい。そしてそこまで長くないので、サラッと読める。雰囲気というか、ジャンルとしては『ザリガニの鳴くところ』や『われら闇より天を見る』の系統。ただ重厚感は全くなく、その2作をかなりライトにした感じ。

    ミステリ要素もほぼなく。親子の成長譚。ちょっと色々ご都合主義のところはあったが、そこを踏まえてもラストは良かった。

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    2023年12月10日
  • この密やかな森の奥で

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    罪と罰と愛の物語。

    惹き込まれました。文章という森の中へ
    とにかく続きが気になり先へ先へとページをめくってしまう。

    主人公の謎が徐々に明らかになっていく過程
    娘という存在の大きさ
    そしてなにより愛しき隣人スコットランド
    そして親友の妹マリーなど
    キャラクターが本当に良くて
    感情移入も半端ないです。

    そしてラストのあの結末にも・・
    美しい余韻を味わいました

    なかなかこんな小説には出会えないのでは

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    2025年02月20日
  • この密やかな森の奥で

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    罪を犯し、人里離れた山奥で一人娘と8年間生活している主人公。

    「親子の絆」と「泣いた赤鬼的要素」が合わさった自分好みなストーリーでかなり良かった。

    自分には無理だと思うけど、大自然の中で囲まれたある意味豊かな生活には憧れる。ただ、子供がいることを考えると他人と関わる頻度が少なすぎるのは問題かも。

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    2024年10月10日
  • この密やかな森の奥で

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    本を開けば美しい景色がそこにある。そう期待して読み始めたけれどそれは期待以上だった。
    鳥の鳴き声や静けさまでもが行間から滲み出てきて、自分の周りを大自然が取り囲む。

    そして、その美しい自然と絡み合うのがサスペンス。
    真逆とも言えるその要素は決して異物ではなく、上手く溶け合っている。

    ジェイクが亡くなり、妹のマリーがやってきたことで、保っていた均衡が崩れてゆく。
    心に溢れる想いがクーパーを変えてゆく…。
    やはり人は人に救われるのだと言うことなのだろう。

    最後はちょっとキリスト教の要素が強く、理解が追いつかないが故にちょっぴりしらけてしまった感も否めないけれど、とても面白く読めた。

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    2024年08月27日
  • この密やかな森の奥で

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    ネタバレ

    近頃ちょこちょこ目にする父娘物。いいなあ父と娘の信頼関係。
    緊密な文章と構成で、これはもしかしたら思わぬ拾い物?と思いながら読んでいたのだけれど、ラストがいささか…納得いかず。それでいいの?と思ってしまった。

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    2024年07月29日
  • この密やかな森の奥で

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    過去にある罪を犯した元軍人のクーパーは、その罪から逃げるようにアパラチア山脈の山奥の一軒家で8年間、一人娘のフィンチとともに暮らしてきた。電気もない自給自足の生活は年に一度物資を届けてくれる親友のジェイクだけが頼りだが、その冬は何日経ってもジェイクが姿を見せず、数日後に現れたジェイクの妹マリーはその死を知らせる。さらにクーパーが森で見かけた少女が行方不明となっていることから保安官に質問を受けることになり、懸命に築き上げてきた静かな生活は少しずつ崩れていくがー罪と罰と愛と苦悩について考えさせられる重厚なサスペンス!

    いくらでもハードな展開になりそうなのだが、そうはならないのが、本作の優れた点だ

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    2024年05月25日
  • この密やかな森の奥で

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    いやぁ、ラスト泣けちゃいます。とにかく娘であるフィンチちゃんが可愛くて愛おしいと思わせる描写が上手い。
    ただ全体的に濃厚な物語とまではいかず、描写や表現、ひとつひとつの要素は意外とあっさりした味付けです。
    ですが、ラストはやっぱり泣いてしまった&好きな終わり方なので高評価です笑

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    2024年05月11日
  • この密やかな森の奥で

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    ネタバレ

    MGS生みの親、小島秀夫監督のおすすめから手に取りました。

    父子の物語、家族の物語ではあるものの、特筆すべきは大自然で暮らす描写の素晴らしさ!
    まるでパノラマ映像を観ているかのように、かと思えば耳元で薪がはぜる音が聞こえるかのように、ありありと情景が浮かびます。
    ストーリーラインもしっかりと組み立てられており、退役軍人である主人公のPTSDや家族の歪さ・生まれの貧富による差別など、さまざまな要素が丁寧に掘り下げられていました。

    ラストはやや強引なハッピーエンドに感じましたが、登場人物みんなの豊かな心に親しみを持てました。
    大切な人と道徳心どちらをとるか?という問いかけが形を変えていくつも提

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    2024年04月18日
  • この密やかな森の奥で

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    主人公クーパー視点で描かれた親子の物語。生活の描写が細かく、そこに自分が居るかのような感覚になれました。人物が少ないので誰が誰だったか分からなくなる人にはオススメ(私は外国人の名前を覚えるの苦手…)。
    ミステリー要素は少なめにかもしれませんが、最後の急展開は読者を引きずり込みます。父親は必読。

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    2024年02月14日
  • この密やかな森の奥で

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    ネタバレ

    過酷な軍人体験の後、秘密を抱え、密やかな森の中で生活する親子の話。どこかで読んだことがある感じもするけど、何か読書のさわやかさが後味で残る良作。
    1年分の生活資材をウォルマートまで買い出しに行く様子がなんだか楽しかった。金はあるし、でかいクルマもあるし。そういう点では苦労はない。
    生活感あふれる物語が綿々と続いたなかで状況が大きく変わったときに物語が動く。その結果何が起きたか。愛と救いと自己犠牲の物語。

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    2023年12月20日
  • この密やかな森の奥で

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    ゲームクリエイター小島秀夫さんが帯で語るようにこの作品には「現代人が背負うべき罪と痛み、そして育むべき恵みがある」し、ラストの手紙を読んで無償の愛について深く感じ入った作品でした…!

    作中でも触れられていますが、主人公の過去をとある人物がアメリカン•プロディガルと表現しています。このプロディガルはルカ福音書にあるイエス・キリストの放蕩息子のたとえ話で「どんなに罪を犯した人でも神様は愛してくださる」ということを語った内容です。
    これを読み終えたときにまさにアメリカンプロディガルだなと強く感じました。
    主人公も過去に罪を犯し、雄大なアパラチア山脈の使われていない友人の別荘に逃げ潜みます。そこで様

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    2023年12月12日
  • この密やかな森の奥で

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    森の奥で人目を避けて暮らす父のクーパーと娘のフィンチ。森での静かな生活がだんだんと脅かされることが起こって…。

    なかなかクーパーが過去に犯した罪が明かされず先が気になった。
    愛する人を失ったこと、兵士時代のフラッシュバック、罪と罰といった暗い背景のあるサスペンスだけど非常に読みやすかった。

    森の生活は厳しさもあるが森の静謐な様子、動物たちの描写が美しい。

    父の娘に対する深い愛情に胸を打たれ、ラストにはしんみりした。

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    2023年12月12日
  • この密やかな森の奥で

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    ⭐️3.6
    映画化されそうなドラマチックなお話。
    お父さんの不器用な愛にぐっとくる。森の暮らしに憧れる。

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    2025年11月08日
  • この密やかな森の奥で

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    罪と罰と愛と苦悩の物語
    社会が求める姿に適応するべき?余計な雑音を避けて人間元来の生活を続けるべき?本当の幸せって何だろう…

    一般的な家庭とは明らかに違っていたとしても、間違いなくフィンチは惜しみない愛情を注がれていることが分かるのがとても良かったです。文章も詩的な表現が多く美しい描写が好きな人には特に刺さりそう

    巻末に訳注や後書き以外に、著者インタビュー、ボーナスシーンの他、読書会のための論題などが付いているのも面白いですね。あまり見たことなかった(実は有名なのかな)のですが、物語を深掘りする手助けになるし、他の作品でもこういう付録が欲しいな

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    2024年12月02日
  • この密やかな森の奥で

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    ネタバレ

     この本、既に読んだ本だったっけ?と思いながら読み進めていくうち、自然描写が「ザリガニの鳴くところ」、父と娘という設定が「父を撃った12の銃弾」に似ている事に気づき、少々、不満に思いながらの読書タイムだった。が、ラストは怪しい隣人・スコットランドの無償の愛にホロリとさせられた。思いもしない結末だった。ハッピーエンドは良かったが、多少の疑問がなくはなかった、、、クーパー(主人公)、あなたの正義はどこにあるのか?!

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    2024年04月23日
  • この密やかな森の奥で

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    本屋で猛プッシュされていたので手に取ったものの、冗長すぎる…
    劣化版「ザリガニの鳴くところ」…といいたいけど、明らかな誤植があったり、唐突にフォントが変わったり(こちらはわざとだろうけど)、没入を妨げる要素がちょくちょくあって残念。
    これがなければもっと一気に読めたかも。そしたら劣化版とは思わなかったかも。

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    2024年03月07日
  • この密やかな森の奥で

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    訳あって、幼い娘と戦友所有の森のキャビンで隠遁生活を送るクーパー。隣人のスコットランドが稀に顔を出す以外ほとんど下界との接触がない生活を送っていた。森で見知らぬ少女を見かけた翌日、亡くなった戦友の妹がクーパーを訪ねて来た時、それまで暮らしてきた世界が崩れていく。
    穏やかな筆致で描かれているが、最終局面は意外な展開。

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    2024年02月11日