芹沢俊介のレビュー一覧

  • 家族という意志 ――よるべなき時代を生きる
    「家族」とは、「自分のいのちの受けとめ手が一緒にいること」。自分は子どもの親として、子どもにとっての家族という立場からこの本を手に取りました。でも、著者のご両親のお話などに関する老いてからの「家族」とは何か、その「家族」が老いた者の最期にどう関っていくか、という内容のほうが印象に残りました。自分の両...続きを読む
  • 生きられる孤独
    ピンポイントで自分の興味関心が文字になっていたから、読んでいてわくわくした。

    ひきこもりや若者の起こす犯罪について、結果から考察するのではなく、若者の気持ちを汲み取り、原因を探究していく姿勢に好感を持ちました。
    芹沢さんが「見られている不安」と「見られていない不安」の2つの不安に「孤独」を結びつけ...続きを読む
  • もういちど親子になりたい
    養親と養子が、児童養護施設の保母と子どもが、親子になろうとして互いに模索する様子が書かれているけれど、その模索が血の繋がった親子には不要だと、誰が言い切れるものでしょう?
  • 家族という意志 ――よるべなき時代を生きる
    自分と他者のなかでつくる特殊世界、対幻想。
    よるべなさ。いのちの受けとめ手。

    自己本位主義的志向、そしてアノミー化。

    誰かに「いる」と受け止められてはじめて自分は「ある」ことができる。
  • 家族という意志 ――よるべなき時代を生きる
    私的な内容であり、それ故にリアルであった。
    後半の老いた両親との関係についての辺りがリアルであり、大いに考えさせられるものがあった。
    吉本隆明の「対幻想」という概念を用いて、家族のあり方を論じていて、本来は性を介した男女間の関係性をもって対幻想と呼んでいるものを、親子の関係性にまで拡張して用いている...続きを読む
  • 家族という意志 ――よるべなき時代を生きる
    読み始め、中ごろまで・・・。
    「つまらないエッセイだなぁ」と思う。
    「アノミー」などのキーワードがイマイチわからない。
    東北震災の被災者がこんな本など読まないだろう・・・と思う。
    しかし、読み進むにつれ、おもしろくなってきた。
    つじつまが合わない・・・と思っていた文脈も、みごとに統一されてきた。
    ...続きを読む
  • 事件論
    [ 内容 ]
    なぜ毒物は匿名の悪意を拡散させるのか?
    なぜ自殺幇助の概念は揺らいでいるのか?
    なぜ誘拐事件は恐喝事件に相貌を変えるのか?
    なぜミイラに治療を施しつづけるのか?
    なぜ“連続強姦殺人”は昭和とともに終焉したのか…?
    頻発する「事件」の不可解さに寄り添いながら、死と虚実をめぐる切実な「現在...続きを読む