「毎日夫や子どもと一緒にいるのに、なんか寂しい。」
そんな思いを抱えて落ち込んだりイライラしたり、自分を責めたりしていませんか？
そうした「孤独感」とさよならして、自分の本当の思いを知って欲しい。それが、著者である公認心理師の福田とも花さんの願いです。
この本では、「ぼっちママ」を
・「子育てや家事が大変なのに、誰にも『助けて』と言えずひとりで抱えてしまって、心がひとりぼっち」
・「ママ友の輪に入れないから、ひとりぼっち」というように、本当はひとりになりたくないのにひとりになってしまうママのことと定義し、自身が「ぼっちママ」になっていないかを測るチェックシートを設け、その特徴を述べた上で、どうケアしていくかを説明しています。
特にわたしの目を惹いたのは、「第２章 基本の〝ぼっちケア〟」の「ぼっちケア 衝動的な反応や感情は「脳のせい」」でした。
P.60から、「家事や育児の手伝いを何もしてくれず、口論となって、子どもと実家に戻ったママ」の例を挙げて、まず、このママの行動の流れが書かれます。
《事実》 夫が家事・育児の手伝いをしない。そのことでよく言い争いになる。
《認知》 手伝ってくれないし、話し合いもできないのは、夫が私を大切だと思っていないからだ。
《反射・反応》 そんな夫と一緒にいるのはイヤだ。すぐに家を出たい。
《感情》 寂しい。悲しい。
《行動》 子どもと一緒に実家に戻った。
次に「人間の脳と働き」を以下のように説明しています。
①脳幹・・・ 爬虫類脳 外界からの危険や悪い状況を察知して安全を守る反射脳。（上の例の）《反射・反応》のもと。
②大脳辺縁系・・・哺乳類脳 喜怒哀楽の感情を司る（上の例の）《感情》のもと。
③大脳新皮質・・・人間脳、理性脳 思考や言語機能を司る最も発達した部分。（上の例の）《認知》のもと。
最後に、「衝動的な反応をしてしまったり、反射的にネガティブな感情になったりしたときは」、「脳がそうさせている」ことに気づきましょう、と教えてくれています。
さらに、人間脳で「本当は夫に何をして欲しかったんだろう？」と自分に問いかけてみて欲しいと助言し、自分の本当の気持ちがわかることができたら、そのあとのケアの行動が分かってくるとも言います。
第２章以降には、「ぼっちケア」や、夫・子ども・ママ友との関係を見つめ直す方法が、ステップごとにポイントを押さえながら具体的に書かれています。
〔おわりに〕で、福田さんは、こう書いています。
「あなたさえあなたの心を無視しなければ、誰もあなたを孤独にはさせられません。」と。
そして、この本が「あなたの人生に寄り添い、いつでもそばにある一冊でありますように。」とも。
孤独に苦しみながら子育てを続けるママにはもちろん、パパにも読んでもらいたいと思いました。
ママの心がいつも安らかであり、子どもっちが健やかに成長しますように♡
〔目 次〕
はじめに 子育て中の孤独感に悩むすべてのママたちへ
■第１章〝ぼっちママ〟ってどんな人？
ひとりにならざるを得ないぼっちママ
・ぼっちママ度チェックシート
ぼっちママの特徴
ぼっちママあるある……① 一番わかってほしい夫に自分の思いが伝わらない
ぼっちママあるある……② 頑張って「いい子」になろうとする
ぼっちママあるある……③ ママ友との距離感に悩む
ぼっちママは自分の気持ちに気づくのが苦手
・本当の気持ちってなんだろう？
・本当の自分からどんどん離れていくぼっちママたち
・親の子育てに縛られてしまうぼっちママたち
寂しさは心の傷とつながっている
どうして心の傷は作られるの？
・① 強い責任感、できないことへの罪悪感
・② 我慢
・③ 幼少期の記憶
Column① 母親の影響ってそんなに大きいの？
■第２章 基本の〝ぼっちケア〟
ぼっちケア 衝動的な反応や感情は「脳のせい」
ぼっちケア 自分の無意識の欲求に気づく
ぼっちケア 子育て中のストレスに気づく
ぼっちケア セルフカウンセリングする
・セルフカウンセリングをやってみよう
ぼっちケア 「もう何もしたくない」ときは振り返りだけ
・今日１日を振り返ろう
寂しさに「さよなら」しよう
■第３章 ぼっちママと夫
ケース① どんどん会話レスになっていく
ケース② 夫にイライラがちょこちょこ爆発！
ケース③ 子どもの言いなりにならないで！
ケース④ やめられない夫への試し行動
ケース⑤ この先ずっとこの人と一緒にいていいの？
■第４章 ぼっちママと子ども
ケース⑥ 子どもに嘘をつかれて悲しい
ケース⑦ 愛したいのに愛せない―スキンシップに抵抗がある
ケース⑧ 子どもが仲間に入れないのは、私のせい？
■第５章 ぼっちママとママ友
ケース⑨ ママ友から距離を置かれている気がする
ケース⑩ 自分に合うママ友って、どうやって見つけるの？
ケース⑪ 子どものいない友人と疎遠になった
Column② 仕事も頑張っているママたちへ
おわりに
「ぼっち」を恥ずかしいことだと思っていませんか？
