結論から先に言っちゃうと、この『魔王軍はホワイト企業』は良い漫画だ。
面白さって点でも、読み手は満足できるだろうけど、それ以上に、タイトル通り、魔王軍が職場として、ほぼ満点に近いってのが強い。
決して、今の職場に不平不満がある訳じゃないにしろ、正直、この魔王軍と比べたら、雲泥の差が凄いのは否定できないのだ。
兎にも角にも、トップの魔王様が、ホントに、極悪の限りを尽くし、残虐も極めているべき魔王なのか、と鋭めのツッコミを入れたくなるくらい、上司として出来ている。
仮に、どの漫画のキャラの下で働きたいって、アンケートを取ったら、この『魔王軍はホワイト企業』を読んでいる人間なら、確実に、この魔王様に一票を投じるだろうな、と確信ちゃうほどだ。
部下を想い、職場をより良くする事に気を遣い、すべき事を迅速に行う魔王様の下で働けたら、そりゃ、もう、ストレスの少ない日常を過ごせるに違いない。
魔王様のキャラも立っているけど、彼の下で毎日、幸せそうに働いている部下たちも、これまた、共感できる部分を持っているんだよなぁ。
また、基本的には正義の味方であるべき勇者が、結構なクズで、仲間から疎まれているってのも、魔王軍の良さを引き立ててるのに一役を買っており、上手い、と感じた。
あまり詮索する気はないんだが、この作品の描き手である、スガラジカル先生、よっぽど、酷使される会社で働いていて、その時の心痛を『魔王軍はホワイト企業』の執筆で昇華させているのか・・・
いずれにしろ、何らかの経験をプラスに活かして、この漫画を描いたのならば、実に素晴らしい事だと思う、私は。
この台詞を引用に選んだのは、確かに、と心から納得できるものだったので。
100%の実力を遺憾なく発揮できる状況なんてのは、人生で何度、訪れるか、解らない。
ただ、100%は無理にしたって、80%程度の実力は、自分の努力で常に出せるようになるものだ。
すべき努力、それこそが、この台詞にギュッと詰まっているのだ。
しかし、これが出来たら苦労はないんだよなぁ・・・
「毎日定時で帰り、休日しっかり休む、我々魔族が・・・負けるはずなかろう!!」(by魔王様の部下)