大企業向け新規事業の実践的な本。
特定の分野では無く、広く浅くとらえてあり辞書的に使えるため常に手元に置いておくべき本。
多くの人にとっては知ってる内容が多いと思われ、復習的に読みながら、時々おぉ!!という発見がある感じかと。
オススメです!
以下、ネタばれですが、私がおぉ!と思った箇所。
・成熟企業を持つ大企業が社内新規時g表を始めるときに必要なことは「なぜ、自社がこのような新規事業を始めるか?」を明確にすること。戦略的なポジショニングが決まる。既存事業や経営理念を無視しては社内新規事業は長続きしない。新規事業に取り組むなればこそ、既存事業のメンバーよりもより深く既存事業について語ることが求められる
→ え~そこまで言う!? でもそうかもなぁ~
・旭化成さんの電子コンパスの事例。技術者たちは「社会変化のトレンドにのった新規事業として、私たちが何かできるチャンスは無いか?」というテーマで月に1回集まり、検討会を行い、そこから出たアイディア。未来では何が必要になるのか、という発想から検討。
→ こういうの場を我々も作るべき!!! やりましょう。
→ フラッシュアイデアというフレームワークでは「世の中のトレンド情報」「そこから得た気づき」「予想される未来」「未来で当たり前に使われる商品やサービス」「自社で取り組む理由」を書き出す。これをベースに議論したら良さそうですね
・N=1を見つけること!
→ よく言われることですが、実際にはできてない!!! やりましょう。
・デプスインタビューのTips
ノーの回答を集めることでOBゾーンを明確にし、それによってフェアゾーンを定義していく
・イメージ写真やビジュアルを加えることで、視覚的にもストーリーが強化され、ビジョンが具体的な共通認識としてより強固に。
その提供価値を言語化したもので、顧客やパートナーが「その未来に参加したい!」と思えるような共感の枠組みを作り出す
→ 言うは易く、行い難し、ですが、是非トライすべき!まずN=1を見つけるところから!
・提供価値は「機能的価値」「情緒的価値」「体験的価値」「社会的価値」から構成される
→ どうしても「機能的価値」を追い求めてしまう。特に「情緒的価値」「社会的価値」を突き詰めていきたい ★★★一番インパクトに残った部分★★★
「情緒的価値」→ そのサービスを理世うすることで感じる幸福感、優越感、ワクワク感、達成感などの感情的な反応
「体験的価値」→ iphoneの購入から開封の儀など
「社会的価値」→ サービスを利用することを通じて、コニュニティやグループに所属する感覚を得る
・チラシで受容性検証
チラシのどこに対してどう思ったか、を検証。イエスの意見は信用してはいけない。仮説が正しいか検証するのでは無く、いかに間違っているかを検証
・事業を評価する6つの眼
・人の眼:起案者自らが検証結果に腹落ちできるか。←実際にできないプロジェクトも多く、どう改善するか悩ましいよねー
新規事業への投資判断は最終的には「この起案者が任せるに値する人物かどうか」
・鳥の眼:本プロジェクトが全体の1ピース目として適切かどうか、次のステップへどうつながり、2ピース目が倒れるのか
・虫の眼:解像度が高いか
・魚の眼:なぜ今なのか
・コウモリの眼:複数の視点を取り入れる。決裁者の意見を事前に取り入れる。既存事業の戦略とフィットさせ、戦略的ポジションを説明する
・医者の眼:第3者意見を取り入れる
・経営層から早々に事業を止められるケースは、ビジョンの合意形成ができていないケース。現状の進捗が悪くてもビジョンの合意ができていれば「実現に向けてどう改善するか」の議論ができ、即座にストップがかけられる自体は避けられる
→ 撤退条件を事前に定めることは重要ですが、おっしゃる通りかと。
簡単に言うと、オススメです!