稲見佳代子のレビュー一覧

  • 叫びの穴

    Posted by ブクログ

    ミステリ。
    著者はオーストラリア人で、一冊の本としては初邦訳作品とのこと。
    第一次世界大戦中のイギリスを舞台にした本格ミステリ。
    1919年刊行と、かなり古い作品で、特に医学的な面で時代を感じる。
    ロマンス・法廷劇・怪奇趣味の要素あり。
    特徴としては、事件の手掛かりを一つ一つ確かめる丁寧な推理スタイルと、全体的に落ち着いた重厚な雰囲気が挙げられると思う。
    容疑者がなぜ沈黙を続けるのか、というのが作品の一番の謎。
    ロマンスシーンと法廷劇が、かなり面白く読めたので、事件の解決後にエピローグで各登場人物の描写が欲しかった。
    地味ながら、かなり高品質のミステリという評価。
    ぜひとも他作品の翻訳を期待し

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    2023年12月30日