伊良刹那のレビュー一覧

  • 海を覗く

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    ネタバレ

    17歳の言葉じゃない。この1冊に感想を書くには、語彙力が足りない。

    恋とか愛という言葉があるから、どちらも1つの概念として捉えていた。けれど、どちらもいくつもの感情と性欲を四則演算した先にあるんだと思う。

    「夢を応援したい」かもしれないし「殺したい」かもしれない。導かれる答えは、誰にも予測できないし、誰のせいでもない。

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    2024年04月26日
  • 海を覗く

    Posted by ブクログ

    読んでいる自分自身が「海を覗いて」いるような、そんな感覚に浸った。散りばめられた美しい表現を砂浜に潜む綺麗な石や貝殻を拾い集めるようにして読み進め、次に海面に目を落とすと、言葉の波間に強い光を見つける。けれどそれは絶えず揺れ動き、掴めたと思ったら、次の瞬間にはほどけて見失ってしまう。寄せては返す認識と拒絶の応酬に、読みながら主人公が味わった幻滅や絶望がわかった気がした。正直、全てを理解はしきれていないけれど、物語全体が海を彷彿とさせる透明感、底知れなさ、魅惑的な存在感を体現しているようで凄いと思った。

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    2025年08月31日
  • 海を覗く

    Posted by ブクログ

    芸術家になりたい人間の思考をよく描けてると思う、けど、観念的すぎて、視覚的な美の描写が乏しいのが気になった

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    2025年05月03日
  • 海を覗く

    Posted by ブクログ

    当時17歳と考えると凄い語彙力ではある。のだけど、難しい言葉も多く読みにくさは感じた。三島由紀夫が好きらしいのだが、少し前に三島読んでたので比べると美しさと滑らかさが足りない……

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    2024年07月07日
  • 海を覗く

    Posted by ブクログ

    17歳でこの語彙力はすごい。
    たぶん純文学的な作家さんに刺激を受けているのだろうと思ったけれど、ちょっと難しい言葉が多過ぎて、前半で読むのをやめてしまう人がいるかも。
    でも後半からだんだん文章に慣れてきて、美と芸術と哲学の奥深さをしとしと雨が染み込むように感じながら、ラストスパートは、芸術家ってきっとこんな精神状態なんだろうな、と。

    この哲学感を作中で高校生が語り合う違和感を感じたけど、著者も高校生でこの作品を書いてる訳で…。ありえるのか。すごい感性です。

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    2024年07月07日
  • 海を覗く

    Posted by ブクログ

    史上最年少(17歳)での新潮新人賞の受賞対象となった作品。男子高校生の「美」や「愛」をめぐるやりとりを描く。
    確かに三島由紀夫を思わせる高尚で耽美な文体で、高校2年生がこれを書いたのかと思うと、驚嘆を禁じ得ず、率直にすごいなと感じる。
    ただ、中身としては、読み終わった後、正直、ほとんど何も残らなかった。高校生が話す内容と思えないようなあまりに観念的な会話シーンが続き、美や死、愛などについての登場人物たちの語りも、難しい言葉をこねくり回しているだけで、本質をついているように思えなかった。

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    2024年06月16日