岩谷聡徳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ文章を書くことは難しい。
キーボードの前で、手が止まった経験がある人なら誰でも理解しているだろう。
結局「自分の声で書く技術」とは、内なる自分の「ああでは駄目だ」「これは良くない」という声を抑えて、思うがままに書いてみるということなのだろう。そういった声はむしろ検閲(校正)の時に出すべきであって、何かを各段階では出しちゃ駄目なのだ。
正直自分の書き方とはまた違ったやり方だったけど、参考になった部分はあったかな。感じたことを論理的に証明することが自分の書き方だけど、それとは別に対立点や矛盾点を出すことで新しい地平へ迎えるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
本書は、「書くことに困難を感じているが、書かなければならない人」に向けた実践書である。最大の特徴は、文章技術の向上以前に、「自分の声」で書くことを取り戻す点に焦点を当てているところにある。
ただし、本書の評価が難しいのは、想定読者が曖昧に感じられる点だ。前半は明らかに学習者向けの内容であり、書き手自身が自己検閲を外し、言葉を生み出していくプロセスが丁寧に示されている。一方、後半は授業での実践を想定した構成になっており、教師向けの色合いが強くなる。そのため、教員であれば通読する意義は大きいが、純粋に「書けるようになりたい」と願う個人の読者は、前半部分のみを読むことになるかもしれない。
さらに、学習者向けの内容も、実際には一人で取り組むには難しい印象がある。本書が重視するのは「仲間とともに言葉を育てる」プロセスであり、対話や共有を前提としているからだ。その意味で、個人読者が独学で実践しきるのは容易ではないだろう。
しかし、教員の立場から読むと、本書は非常に刺激的である。とりわけ、編集を一切考えずに思うまま書く「フリーライティング」は、すぐにでも授業で試してみたくなる実践だ。さらに、書いた文章の中から核となる言葉を見つけて育てていく「グローイング」、そして文章全体を豊かに仕上げていく「クッキング」へと発展させるプロセスは、学生とともに創造的な時間を共有できる可能性を感じさせる。
とりわけ、AIが文章生成を担う時代において、書き手の「Voice」がこれまで以上に重視されるようになっている。だからこそ、まずは自分の言葉に身を委ね、内側から湧き出る声を受け止める経験が重要になる。本書は、その原点に立ち返らせてくれる一冊である。