「両親の介護」、実際に自らの身に降りかかってこなければそれがどんなに大変かは語れないと思った。
これは、認知症の父(90)と寝たきりの母(84)の介護についての体験記である。
ホームか、施設か、病院か…空きはあるのか?
ちゃんとケアしてくれるのか?
金額的にやっていけるのか?
介護は突然やってく
...続きを読むる…なんてことはないのですと言うけれどそれは一緒に暮らしていたらわかるかもしれないが、別居だと毎日顔を会わすわけでもなく、気づくのが遅くなり…
気づけばこんなに家の中が雑然としてたのか?とかこれくらいのことがなぜできないのか?とか…
慌てて何すればいい?どうすればいい?どこに相談すればいい?になるのだろう。
著者は、介護のリアル(介護保険サービスの種類やその使い方、選び方)だけでなく、人が人を支え、人のために生き、老いていく姿から人生を学ぶことの尊さを「我が家で暮らす」ことが理想形だと考え伝えている。
確かに親にとっては住み慣れた家がいいのだろうと思う。
介護にはいろんな感情が湧きあがってくる。
悲しい、情けない、腹が立つ、苦しい、眠れない、イライラする、キレる…
負の感情ばかりだ…
だが大切な誰かのために心を寄せて、相手の気持ちを想像して、尊重し、笑顔で過ごしたいと思う。
これは日々の積み重ねなのかもしれない。
やがて自分も老いる、認知症になるかもしれない、迷惑かけずに逝けるだろうか…。