飯田道子のレビュー一覧
-
ナチスの核のひとつであったメディア戦略を知ることもできれば、
美と憧れと親しみの危険という戒めを学ぶこともでき、
メディアとその受け手としての民衆を理解するのに役立つ一冊です。
ナチス時代のプロパガンダ映画を分析し糾弾するにとどまらず、
第二次世界大戦後ナチスがどのように描かれてきたかも書かれてお...続きを読むPosted by ブクログ -
類書は少なくないけれど、新書判でこれだけの質と情報量があるのはスゴイ。
同じ中公新書に収録されている平井正氏の「ゲッベルス」との併読をオススメします。
目次
新しいメディア・映画の登場
第1部 ナチスの時代(ヒトラーとゲッベルス
映画統制―検閲と「評価付け」
プロパガンダと映画)
第2部 ヒトラー...続きを読むPosted by ブクログ -
ナチスがどのように映画を利用していったか。映画はどのようにナチスを描いてきたか。前者の視点だけでなく、後者の視点も面白い。
戦前・中・後と、多彩なイメージ変化をするナチス。そのイメージの変遷を時代考証を交えつつ、追っていく。Posted by ブクログ -
ヒトラーとナチスは映画によるイメージ操作を最初に意識的に行ったが、そのイメージは彼らが滅んだあとも行き続けて変遷していることを、豊富な具体例を挙げて綴る。「実体」などせず、イメージがあるだけなのは今の方がエスカレートしているだろう。Posted by ブクログ
-
歴史と映画が好きな人には面白く、また親しみの持てる本だと思う。ヒトラーおよびナチスが描かれている映像作品を、ナチスによるプロパガンダ映像も含めて時系列でその時代状況と当時の人々の受けとめ方、ナチスとヒトラーの描かれ方の変遷などをたどっている。多くの映像作品を新書という小さい枠に盛り込んでいるため、駆...続きを読むPosted by ブクログ
-
映画におけるヒトラー像を時代考証とともに追っています。
ドイツ国民の英雄からわかりやすい極悪人へ。
そして今、その姿は多様な人間性をもって語られるようになり、それがエンタメとして受容されつつある。
映画にも歴史にも詳しくないですが、「戦場のピアニスト」や「シンドラーのリスト」など比較的最近の有名な...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
第二次世界大戦で数千万もの人々を死に追いやったヒトラーとナチス。
彼らは新興メディアだった映画をプロパガンダの最大の武器として活用した。
一方で戦後、世界の映画産業は、わかりやすい「悪」の象徴として、ヒトラーとナチスを描き続ける。
だが、時代とともに彼らの「評価」は変わっていく。
本書...続きを読むPosted by ブクログ -
オリンピックで入場行進をするようになったのはベルリンオリンピックから。選手達が入場する際にヒトラーに挨拶をして通っていく。今では当たり前になっている開会式の入場行進もナチス礼賛に由来している。
チャップリンの独裁者も彼はアウシュビッツの悲劇を知っていたら、あのような映画は創れなかっただろう、と言って...続きを読むPosted by ブクログ -
「ナチスの思想には共鳴していなかったと生涯主張していた」リーフェンシュタールをはじめ、
ゲッペルズら側近の日記などの記述から、独裁者ヒトラーとその党の描写について、時代別に考察を行っている。Posted by ブクログ -
ナチスはどう映画を利用してきたか? 映画はナチスをどう描いてきたか?を論考しています。特に後者が面白かった。(2097)Posted by ブクログ