中野利子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中野好夫の娘&土井晩翠の孫娘(生母は晩翠の娘)というレッテルとプレッシャーがついてまわる。父の好夫はワーカホリックで、自分中心。娘に対しては厳しく、叱責の数々。だから、10代の頃は沈黙の抵抗、20代と30代はことばで反発し続けた。
しかしその父が亡くなり、自分も50歳を過ぎ、父の著書と訳書を読んでみる。晩年に訳したギボンの大著『ローマ帝国衰亡史』。西洋史を専攻した娘は、その訳文に惹き込まれてゆく。封印してきた父との思い出の箱が少しずつ開けられる。
淮陰生(わいいんせい)をめぐるエピソードもある。1970年から15年間、岩波のPR誌『図書』に「一月一話」というコラムを連載していた淮。実は中野好夫