酒井大輔のレビュー一覧
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ワークマン、最近人気だがまだ行ったことない。常務は元商社マンで60歳からおじである会長に迎えられてワークマン入りしたらしい。入社以来2年くらいは売れてる店を回ってブラブラして、2年後からどんどん改革したらしい。元々ワークマンは在庫リスクのあるPBはやっていなかったが、ユニクロニトリのようにSPA(製造小売)にならなきゃダメと舵を切り、5年で社員年収を100万円ベースアップ、客層拡大とデータ経営を進めた。三井物産時代に寺島実郎氏の長期業態策定ビジョンを手伝った経験から、「計画」ではなく「ビジョン」を策定。「計画には期限があるからだいたい守られないが、ビジョンは言い続ける限り達成できる」
サイズが多く在庫になりやすい作業服も「700店舗(当時)あるんだから販促すれば売れる」と上下3000円の破格で販売しあまり在庫にならず売れた。機能性が高くて安い商品はブルーオーシャン、市場規模4000億円と見込みカジュアルアウトドアのワークマンプラスを展開。ワークマンの既存オペレーションは守り、「原価65%、良いものを安く提供」「家賃は売り上げの3%」なので、家賃60%になりかねない銀座や原宿は論外。立川立飛のショッピングモールに出店。
三井物産時代の話だけでもおもしろかった。商社マンに話聞いたら本が一冊書けるね。中国では初の民間ベンチャーと言われる四通公司で漢字ワープロを開発。シェアナンバーワン、知らない人はいない会社になる。
日本に戻ってからは「看板とお金が使い放題」という最高の環境で新会社でファブレスでパソコンを売って売上高90億程度の会社に成長させるが、三井物産で売上100億くらいはゴミみたいなものらしい。痛感したのは自分は二流の企画マンで、そんなものは早く整理したい、自分の限界を知ったとのこと。その後、経営企画室では社長の側で「LAWSONをダイエーから買ってくれ」のような案件が次々持ち込まれ社長がどう悩み判断しているかを学ぶ。2000年代再び中国に1000億円の設備投資、2000億円の売上見込みで乗り込むが、北京と上海の権力闘争に巻き込まれ、早めに損切りして撤退。「何百億かの売上は作って投資した金は回収した。」(1000億投資したんじゃないのかよ?)
官庁の仕事をきっかけに、「こんなことをしててもしょうがない」と中央大学大学院に入り、教授に教えを請い自分なりのコンサルメソッドを確立。コンサル的な業務に携わったのか(?)、「全部自分でやろうとしてたが、人を説得して改革してもらう所作が身に付いた」ワークマンでも自分は裏方に徹し、社長に語らせ、社長が間違ってもみんなの前では指摘せず、社長の口から後日訂正させる。
「データサイエンティストはいらない」代わりに、社員にエクセルを学ばせる。全社員向けは平均90点。難しすぎる試験問題は作らないらしいがHBT分析やらバスケット分析やら入ってる。さらに精鋭20名程度は自分でマクロも組むらしい。
アンバサダーに金銭的報酬は出さない。その方が正直なコメントができるから。代わりに、アクセスが増える手伝いはするし、アクセス増えたか聞いたりもする。 -
購入済み
未知の領域
B2Bの商売しかしてこなかった自分にとって未知の領域のお話でした。
読み進めるうちに、任天堂の伝説の人、横井軍平さんが行ってきた基本の思考、枯れた技術の水平思考を思い出させる取組江尾されてきたんだと感じました。
本書を読んで本当に良かったです。 -
Posted by ブクログ
日経の記者である著者が小売業界で躍進するドン・キホーテについて独特な施策から社内の制度、経営者の思いなど自身の取材や社員へのインタビューなどを交えて書いた一冊。
安さはもちろんのこと独自の路線で小売業の中でも存在感を示しているドン・キホーテの商品や店舗戦略、人事など様々なことを本書で知ることができました。
シンガポールなどの現地で日本の店への広告塔として日本のものを現地で生産、販売することでコストを抑えていることやマジボイスやそれを反映した情熱価格など顧客の声を反映してプライベートブランドの商品のイメージ向上を図っているなど商品戦略を知れただけでなく、19年にユニーを完全子会社化したことで生鮮品の強みが出たことやpHメディアを使ってメーカーのマーケティングに協力するなど他社との協業も踏まえて今までにない強みを築いていることも知ることができました。
興味期限という考え方や店舗の地域ごとに特色を出すことで自社の持つ価値を高めていることや主権在現の考え方、失敗を恐れずに挑戦する姿勢など同社の経営に対する考え方や
社内でも髪色の自由化や女性に対する福利厚生の充実による活躍やミリオンスター制度やアンサーマン制度など画期的な仕組みで社員の士気をあげていることを本書で知ることができました。
偏愛めしの商品会議や陳列のうまさを競うD鉄の様子など社内の雰囲気も本書で味わうことができました。
そして、パートやバイトまで権限委譲して結果も出しているところでは創業者の理念を社員にしっかりと浸透させるために「源流」という冊子があり、試験もあることが寄与していると感じました。
そんな本書を読んで自由の中でも厳格なルールが存在することとそれを徹底させることが経営者の努めであることを強く感じました。
そして、自由な中で挑戦をやめない同社がどのような活躍をしていくのかますます楽しみになる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
単なる企業成功本というより、なぜドン・キホーテがここまで成長できたのかをかなり生々しく描いた本だった。
安売りの店というイメージだけではなく、現場が自分で考えて動く文化が徹底されていることが強く伝わってくる。
特に印象的だったのは、創業者の考え方や価値観を、従業員一人ひとりがかなり深く理解していること。外から見ると少し宗教っぽく感じる人もいるかもしれない。でも実際、企業って結局みんなが違う方向を向いていたら進めないので、何を大事にする会社なのかが浸透しているのは強いと思った。
読んでいて、自分の仕事ともかなり重なった。正直、なんでこれやる必要あるんだろうと思いながら、嫌々やっている仕事って普通にある。
でもドンキの現場は、やらされ感より自分でやりたいからやるが強い。しかもちゃんと権限も渡されているので、現場の熱量が落ちにくい。その差はかなり大きいんだろうなと感じた。
もちろん、全員が自由に見えて裏ではかなり厳しい世界だと思う。でも、成長し続ける企業ってやっぱり普通の会社と一回りも二回りも違う。変化のスピードも、現場への期待値も、働く人の熱量も全部高い。
サラリーマンだから理不尽なこともあるよねと諦めるのではなく、自分は何を実現したいのかを持って仕事をする大切さを改めて考えさせられた。働き方への刺激がかなり強いビジネス書だった。 -
Posted by ブクログ
現代日本政治を対象とする被引用数の多い論著を表したそれぞれの時期を代表する個々の政治学者にスポットを当て、日本の「科学としての政治学」がどのような軌跡を経て現在に至ったのかという戦後の日本政治学の歴史をたどる。
本書は、戦後の日本政治学の流れがよくまとまっていて、学生時代に政治学をかじった身として、勉強になった。本書で紹介されている各時期を代表する日本政治学の研究も、どれも興味深く、特に佐藤誠三郎の『自民党政権』等の自民党研究が鮮やかで印象的だった。
著者は、自分ともあまり年の違わない現役の国家公務員で、働きながら本書を執筆したとのことで、率直にすごいなと感じ、敬意を表したい。 -
Posted by ブクログ
本書は、戦後日本の政治学の歩んできた過程を丸山真男から最近のジェンダー論・実験政治学まで「科学としての政治学」という観点から叙述したものであり、それぞれの時代を代表する政治学のトレンドやトピックスを織り交ぜながら興味深いものとなっている。『レヴァイアサン』という雑誌に集った学者たちを総称してレヴァイアサン・グループと界隈では呼ばれているのははじめて知った。先日、火事でお亡くなりになった猪口孝先生もその一人。若き日のお写真が涙を誘う。個人的には佐藤誠三郎のところが一番面白く読んだ。
ところで、著者も「あとがき」で弁解しているが、国際政治学や行政学、地域研究、政治思想などの研究がすっぽりない。つまり私が学部時代に教わった政治思想史学者で顕著な業績と多くの弟子がある藤原保信先生やゴミ問題の先駆者である行政学の寄本勝美先生、あるいは若くして亡くなってしまったが、超有名な国際政治学者の鴨武彦先生などへの言及がまったくないということだ。あと『市民参加』の篠原一先生も言及がないなぁ。
この本は新書なので、そうした「限界」があることを踏まえて読む必要があろう。 -
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自由奔放デザインのお店作り
買収・傘下に収めたスーパー・お店をドンキの理念で復活させていることに驚愕する。昔から言われる「顧客嗜好」を主に、地域性プラス店舗独自の特性を活かす工夫だ。今までの店舗にはない「お店独自の特性」はナショナルチェーン店の本部次第で全てが決まっていたことが、これからの地域に合った様々な消費者嗜好には向いていないと言うことだ。「権限委譲制度」の素晴らしさは社員の信頼関係を深め、社員のやる気・意欲を起こさせる要因にも繋がる。文中にある言葉が印象的だ。「失敗してこそ強みになる」全員が失敗を繰り返し奮起している
「個性(地域性・お客嗜好・店舗店員意向)」を活かした自由自在の店づくり
「できない理由よりできることをとことん考える」どうしたら出来るのかを工夫する -
購入済み
最終巻
作者本人があとがきで書いていたが、もうネタが切れたらしい。個性派なアイデア作品だったので個人的には好きだったが、確かに最近は似たようなパターンの繰り返しになっていたので、仕方がないかな~。
作者の次回作に期待。 -
Posted by ブクログ
今や誰もが知っている“ワークマン”の変革期を綴った一冊。
・なぜワークマンが世の中に普及したのか?
・大躍進のきっかけは何だったのか?
・この先ワークマンはどこに向かっているのか?
本書を読むことで、その全てが明らかになります。
■本書の特徴
大きく2つの特徴があります。
1つは、本書はいわゆる経営者による自叙伝ではなく、著者(日経関連誌の記者)によるインタビューをもとに描かれている点。
客観的かつ要点が明確で読みやすい。
もう1つが、社長インタビューではない点。
本書は、土屋専務(ワークマン大躍進の立役者)へのインタビューが中心となります。
企業の成功談と言えば、通例は社長や創業者がフォーカスされますが、本書では実に改革を推し進めた当人(土屋専務)がフォーカスされています。
ちなみに、土屋専務は会長の甥にあたるのですが、三井物産で数々の実績を残してきた元商社マンです。
■要旨、私なりの解釈
ワークマンの大躍進を語るに外せない最重要キーワードが3つあります。
それが「客層拡大」「データ経営」そして「製品開発アンバサダー」
(1)「客層拡大」で新業態へ向かう
ワークマンはそれまで、作業服専門店として、内装工や大工さんといった職人向けの作業着・軍手・軍足等を販売していました。
その後、創業から30数年が経過し、時は2014年。
土屋専務により作成された「中期業態変革ビジョン」によって、ワークマンはアパレル業界への進出を果たします。
その名も「ワークマンプラス」。
(今やご存知の方も多いと思いますが、アウトドアやシティユースのアパレルとして全国各地で展開されています。)
このワークマンプラスという新業態の味噌は2つ。
①レッドオーシャンに飛び込まなかった
アパレル業界といえば、UNIQLOやZARA、H&Mをはじめとしたファストファッションの他、ハイブランドやスポーツメーカー等、競合がひしめくレッドオーシャン。
ワークマンプラスはそうした中での競争を避け、アパレル市場からすっぽり抜け落ちている「低価格」かつ「高機能」を両立させるというブルーオーシャンでの勝負を仕掛けました。
②従来の商品ラインナップから殆ど変えていない
生産・流通工程は変えず、「魅せ方」を変えることで、新たな客層を取り込んできました。
ワークマンは元々職人向けの専門店、つまり『目的買い』の顧客が大半であったため、野暮ったく味気ない店構え・陳列でした。
ワークマンならそれで良いのですが、ワークマンプラスのターゲットは「ファッションとしての顧客層」。
そういうわけで、店構えからマネキンやポップの使い方を刷新することで作業着専門店から、アウトドア・シティユースへとイメージをひっくり返したのです。
(2)データ経営
作業服専門店の時代は、売価還元法という手法で在庫管理をしていました。
※要は、ざっくり計算で管理していたということです。
ところが、作業服だけでなくアパレル市場での客層拡大を狙うのであれば、需給予測のためにもデータ管理の仕組みが必要となります。
今で言えば当たり前の話ですが、土屋専務はこれを1から導入し、かつ大変ユニークな手法でデータ経営の仕組みを確立しました。
①AIは導入しない。エクセルによる分析
作業効率だけで言えば、AIを導入してオートメーションで分析させるべきですが、土屋専務はこれをしませんでした。
なぜなら、そこには思考のプロセスがなく、自分たちで考えることができないから。
ワークマンのデータ活用の原則は「浅く広く」。
普通の人の知恵を集めて経営していくことが理想。
その考えに基づくと、エクセルを活用する方が最良という判断になったようです。
②経営幹部も毎年、データ分析講習を受ける
平社員はもちろんのこと、社内全員が一丸となってデータリテラシーの底上げを図っています。
小売業やメーカーでこれを徹底している企業は案外少ない。
③部長登用の必須条件はデータ分析力
これまでは、顔が広いとか融通が効くといったコミュニケーション力の高い人が部長になっていました、データ経営を取り入れてからは、分析力の高い人が昇進できるようになりました。
仮に、最も高い分析力が必要なSV部長の分析力を100だとすると、ロジスティクス部長で90、商品部長で80、社長でも70はあるというのが現状のようです。
それだけ、データ経営に重きを置いているということですね。
データ経営による効果や、具体的な施策については、ぜひ本書を読んでみてください。
驚きの連続です。
(3)製品開発アンバサダーの登用
商品開発において、ワークマンは大変ユニークな戦略を用いています。
それは、インフルエンサーを製品開発アンバサダーとして迎え入れ、開発会議にも参加してもらうこと。
これは、著名人や芸能人を迎え入れてコラボしているということではありません。
ワークマンを愛してくれているブロガーやYouTuberを身内に引き込み、彼らの意見を商品開発に反映させていくというもの。
とは言え、誰でも良いわけではなく、アンバサダーには一定の条件を付しています。
それは、『日頃からワークマンの商品を着こなし、積極的にSNSで発信していること。そしてワークマン愛に溢れていること。』
本書曰く、こうした人は『ワークマンの商品のことをよく分かっている上に、仮に読書が1万人もいれば、それはオピニオンリーダーであり、かなり世間の意見を代表している』とのこと。
ちなみに、アンバサダーは無報酬だそうです。
だからそこ、辛辣な意見も沢山出してくれます。
報酬がない代わりに、新商品の情報を優先的に開示する等、PV数やフォロワー増に繋がるような露出拡大に全面強力しているとのこと。
■まとめ
作業服というニッチな世界でのトップ企業だったこれまでのワークマンは、「前例踏襲」「冒険しない」「勘ピュータによる発注管理」という企業文化が染み付いていました。
それが、「新業態の運営」「データを見ながら考える」「世間の意見を取り入れる」という3つの改革により、ここ数年の大躍進を生み出しました。
経営者や小売業の方だけでなく、ビジネス全般において学ぶべき内容が詰まった一冊だと思います。
ぜひ読んでみては。