掌編小説(140字)のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
母子家庭で育つ逸見千尋は、変わり者の女子高生・北條初音に、ひと夏の海岸清掃活動へ誘われる。健全なボランティアかと思いきや、拾うゴミは酒の空き瓶と避妊具のみという、ややスキャンダラスな匂いのするもの。初音は、このゴミ拾いを「この夏、砂浜から『お酒の勢いで……』を排除する目的で行う」と言うが…。
未発達な心と、徐々に成熟を迎える体。その狭間であがき成長していく少年少女。思春期という、子どもと大人の境目を生きる彼らは、心に負った疵を誤魔化して、笑顔をつくることも覚えた。その空白を抱えたまま大人になる子もいれば、その疵に正面から向き合う子もいる。扱うテーマがテーマなだけに、かなり露骨な生々しさをもっ