毎日新聞校閲センターのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本語というしなやかな言語を学ぶ大人の国語でした。
日本人ならどんな日本語を使っても伝わるものは一つとして思っている人はいないでしょうか?
この本を読んでから日本語って実は解釈違いをたくさん持ちやすい危険な言語だと思いました。普段から使う言葉でも実は正しく伝わってないのかもしれないとおそろしくなりそうでした笑
文章や文脈の中身ではなく日本語によってそれが起きてしまうかもしれないということ、この本を読んで、あれ?私が思っている解釈って実はマイナー意見だったの?なんて思うところがいっぱいあると思います。
なににせよ日本語って私たちが思っているよりもアップデートしてきているんですね。自分が普段から -
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Posted by ブクログ
言葉の背景や由来が大事なんだね。と言っても、文中にあるように新聞社ごとにも表記ゆれがあるから、一般人は別に誤字・誤用に神経質になる必要全く無いな、と思った。辞書ごとにも意味にブレがあるしね。こだわり過ぎないようにしたいな。
ら抜き言葉についての所めっちゃ同意!ら抜き言葉て数年前はよく論争になってたけど、今はもうあんまり見ないね。可能、尊敬、受身、どれなのか分かりにくいから、自分は可能の意味で使う時は積極的にら抜きにしてる!
校閲て堅苦しいイメージだったけど、普通に「仕事の悩みあるある」「印刷物を取り扱う人の悩みあるある」とかがあって取っつきやすかったしサクサク読めた。
面白かった。 -
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Posted by ブクログ
校正は字句・表現、体裁の誤りを正す。
一方、校閲はファクトチェックも行う。
本書は、毎日新聞の校閲部の記者さんたちが、業務で出会ったさまざまな事象を、時にご自身の失敗談も交えたコラムをまとめたもの。
その守備範囲の広さに、びっくりする。
たとえば、小津安二郎の映画『晩春』に言及した原稿。
ヒロイン曽宮紀子が小野寺を「おじさま」と呼ぶ。
原稿では彼を「叔父さま」と記していたが、本当にそうなのかを調べたりする。
伊勢の観光PRキャラ「はなてらすちゃん」が「はなたらすちゃん」になっていたりする誤植を発見する。
インタビューでの方言を、記事にするとき、どう扱うか。
地名は本当にやっかいだそうだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「いつぶり」はおかしい、という人が多い。
「なみなみならない」は「なみなみならぬ」というべき。
「大丈夫です」という返事はあいまい。
スポーツ選手の敬称は文字数がかさむためつけていないのが最初。
太平洋戦争、第二次世界大戦、アジア太平洋戦争、どれが正しいか。教科書はアジア太平洋戦争。
「すごい」+形容詞は書き言葉として許されるか。「すごく」+形容詞で書くべきか。すごいうれしい、すごくうれしい。すごい重い、すごく重い。
予想の斜め上=予想以上というよりずれていて予測不能な感じを表す。
「ほぼほぼ」「いまいま」は許されるか。
「黒歴史」は俗語だが辞書には載ってきた。
真逆=正反対のこと。俗語だが -
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Posted by ブクログ
毎日新聞校閲センターで、校閲記者を務める皆様による連載コラムの書籍化。
同センターが運営されているウェブサイト「毎日ことばplus」は、仕事で言葉の取り扱いに悩んだ際よく参考にさせていただいている。
私はおもに文芸がメインだけれど、新聞の現場でおこなわれている校閲の様子をとても興味深く読んだ。
やっぱり常にスピード重視だし、誤りやすい固有名詞がわんさかな上に、未知のジャンルの専門用語も次々と飛び出して大変そう。単純誤植はもちろん、事実確認や写真との整合性や単位の間違いなど、確認しなければいけない事項は多岐にわたる。
そして、限られた紙面だからこそ常に端的でキャッチーな言い回しが求められ、その用 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ各章のテーマとなる言葉について、アンケートから入るのが良かった。本題に入る前にまずそこで「うーん」と自分の考えをまとめてから解説を読むので理解が深まる感じがしました。校正の勉強をしていた若い頃を思い出しつつ読みました。そしてプロでも結構悩むんだなぁと興味深く読みました。言葉はナマモノなんだなぁとも。
あんまり深く考えたことのない言葉も取り扱っていてそこも面白かった。初老(昔は40歳で初老という認識だったと聞いたことがあり衝撃だった。本書ではそこまで明確にしてませんでしたが)や妙齢というときの年齢を自分も昔間違って認識してて改めて知ったときの衝撃を思い出しました。
そういえば卵と玉子の言葉の使い -
Posted by ブクログ
おもしろい!日本語が面白く思える書。そして校閲という仕事の奥深さを知れる書。校閲者の本音も垣間見ておもしろい!個人的には、水上由布さんの考察が1番好きだった。章末に校閲者の名前が記載されているので、考え方の違いを感じられるのも面白かった。
p.66 人は間違える生き物である。だからこそ日々怠ることなく、訓練された複数の目を生かして、一字でも誤りを減らしていきたいと思う。
p.68 その理由の1つに、日本人(日本語)は、濁音化静音化を厳密に区別する意識が、他の民族や言語より希薄なのではないかと言う考え方があります。ゲージとケージのように全く別のものになってしまう。言葉はもちろん要注意です -
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