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日本語のプロである新聞の校閲記者が、間違えやすいことば、意味を取り違えやすいことば、実は勘違いしている表現や慣用句などを取り上げて解説。 語源や言葉の変遷なども織り交ぜながら、楽しみながら読めて、日々の暮らしに役立つ知識が満載のコラム集。
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Posted by ブクログ
校正や校閲エッセイ、世の中に文章を届ける上で大事にしてるものがわかったり、あと申し訳ないのですがヒヤリハット事例やミス事例が勉強になります。
校閲の仕事の素晴らしさ、日本語の難しさがとても伝わる本。1つのお話がとても短いので、空き時間も楽しめる。
言葉の背景や由来が大事なんだね。と言っても、文中にあるように新聞社ごとにも表記ゆれがあるから、一般人は別に誤字・誤用に神経質になる必要全く無いな、と思った。辞書ごとにも意味にブレがあるしね。こだわり過ぎないようにしたいな。 ら抜き言葉についての所めっちゃ同意!ら抜き言葉て数年前はよく論争になってた...続きを読むけど、今はもうあんまり見ないね。可能、尊敬、受身、どれなのか分かりにくいから、自分は可能の意味で使う時は積極的にら抜きにしてる! 校閲て堅苦しいイメージだったけど、普通に「仕事の悩みあるある」「印刷物を取り扱う人の悩みあるある」とかがあって取っつきやすかったしサクサク読めた。 面白かった。
毎日新聞の校閲担当の方たちが交代で書いてるコラムをまとめた本 取り上げられているテーマがどれも興味深いのはもちろん、語り口や趣味から書いてる人の人柄がちょっと見えてきてて、それも面白かった
さらっと読めるコラム集。校閲という仕事のリアル、日本語の奥深さを知れる。新聞連載のワンコーナーを集めたものなので1ネタが短くスキマ時間での読書にもよい。 オーディオブックで聴了したものの、これは文字の書籍で読むべき本だった。
校正は字句・表現、体裁の誤りを正す。 一方、校閲はファクトチェックも行う。 本書は、毎日新聞の校閲部の記者さんたちが、業務で出会ったさまざまな事象を、時にご自身の失敗談も交えたコラムをまとめたもの。 その守備範囲の広さに、びっくりする。 たとえば、小津安二郎の映画『晩春』に言及した原稿。 ヒロイン...続きを読む曽宮紀子が小野寺を「おじさま」と呼ぶ。 原稿では彼を「叔父さま」と記していたが、本当にそうなのかを調べたりする。 伊勢の観光PRキャラ「はなてらすちゃん」が「はなたらすちゃん」になっていたりする誤植を発見する。 インタビューでの方言を、記事にするとき、どう扱うか。 地名は本当にやっかいだそうだ。 目黒駅につける「東京都〇〇区」の注記。 うっかり「目黒区」としてしまっていないか。 駅名は「虎の門ヒルズ」なのに、ビル名は「虎ノ門ヒルズ」だったりするトラップがある。 クイズコーナーの迷路を解いて、本当に答えが一つになるか、色彩表現は適切かどうかもチェックするとも。 対象への固定観念を植え付けることがないように、という配慮も、新聞社として大切にしていることが伝わってくる。
サンデー毎日で連載された「校閲至極」を本にしたもの。誤字脱字の誤植点検の校正に加え、文章の中身も間違っていないか確かめる校閲は、慎重に行わなければならない。失敗事例もたくさん紹介されていい手大変参考になった。
毎日新聞校閲センターで、校閲記者を務める皆様による連載コラムの書籍化。 同センターが運営されているウェブサイト「毎日ことばplus」は、仕事で言葉の取り扱いに悩んだ際よく参考にさせていただいている。 私はおもに文芸がメインだけれど、新聞の現場でおこなわれている校閲の様子をとても興味深く読んだ。 やっ...続きを読むぱり常にスピード重視だし、誤りやすい固有名詞がわんさかな上に、未知のジャンルの専門用語も次々と飛び出して大変そう。単純誤植はもちろん、事実確認や写真との整合性や単位の間違いなど、確認しなければいけない事項は多岐にわたる。 そして、限られた紙面だからこそ常に端的でキャッチーな言い回しが求められ、その用法が正しいかどうかが絶えず問われるというのも、校閲記者としては頭を抱える要因の一つなのだろう。 メディアのなかでも報道の要として数多の事象を取り上げる新聞であるからこそ、「障がい」や「(新型コロナウイルス感染における)汚染」等、差別的・不適切表記でないかどうか、言葉の言い回しに対してとても敏感で慎重である姿勢も尊敬したい。 実用的で勉強になるだけでなく、エッセイや読み物としての満足度も高い内容でした。
正確で誰も傷つかない文章を書くのはとても難しい。あらゆる知識を総動員して同じ文章を何度も何度も読み直しチェックする。技術と経験が必要なお仕事ですね。読み手としても正しい文章を見極める目を持ちたいと思いました。
おもしろい!日本語が面白く思える書。そして校閲という仕事の奥深さを知れる書。校閲者の本音も垣間見ておもしろい!個人的には、水上由布さんの考察が1番好きだった。章末に校閲者の名前が記載されているので、考え方の違いを感じられるのも面白かった。 p.66 人は間違える生き物である。だからこそ日々怠るこ...続きを読むとなく、訓練された複数の目を生かして、一字でも誤りを減らしていきたいと思う。 p.68 その理由の1つに、日本人(日本語)は、濁音化静音化を厳密に区別する意識が、他の民族や言語より希薄なのではないかと言う考え方があります。ゲージとケージのように全く別のものになってしまう。言葉はもちろん要注意ですが、従来表記の定まっているものでも、異なる表記で繰り返し原稿に登場してくる現場に合わせると、思わずうなずいてしまいます。 p.83 阿部泰雄『つくられた恐怖の点滴殺人事件ーー守大助さんは無実だ』 p.134 ジェンダーに限らず、差別などに関する後は、そうした「気にする人がいるかどうか」で使用の是非を判断されがちだが、真に大事なのはそこではない。メディアが特定の価値観に基づいた表現を使うことにより、人々に、そうした価値観を知らず知らずのうちにすり込んでしまうのが問題なのだ。例えば、記事につけるイラストで、いつも少年を青の服、少女はピンクの服だったらどうだろう。あるいは、外国人のイメージイラストが毎回金髪で白い肌だったら。 p.138 感染発生依頼、世界で中国を始め、アジアの人々への差別が問題となり、欧米ではマイノリティーの死亡率が高いと言う。差別が生死を分け、ウィルスがその差別をさらに加速させる。差別を食い止める1つの武器、それが「言葉」だ。今言葉ができること。いつもそれを問いながら、原稿に向かう。校閲者として、また1人の人間として。 p.197 大事な人の名前は、絶対に間違えたくないですよね。それはその文字の連なりが、自分にとって2つとない特別なものだから。バラバラにするとなんでもない文字なのに、並べて完成させた途端、特別な意味を持ってしまう。名前って不思議です。新聞紙面に出てくる名前をチェックすると、そんな「この人を思う誰か」にがっかりされないように努力しています。 p.251 連載を長く続けていると、往々にしてこの話題は以前にもあったと言うネタかぶりが発生しますが、事前の調整はほとんどしないのに、同一テーマになる事は全く言って良いことありませんでした。これは新聞の校閲が無限の事象をチェックしていることの表れだと思います。それとともに、各執筆者の個性や趣味が、あるときにはチラリ、あるときにはヌっと出ることが、校閲と言う黒衣にも思える仕事に多様な色を加え、一人ひとりの太陽が伝わる校閲を描き出したからではないでしょうか。 もちろん、日本語の誤字や不適切表記に毎日直面している職場ならではの話題もふんだんにあります。ただし、高みから誤りを切り捨てるのではなく、その誤りが発生する現場の感覚や、正解のない問題に書き続ける姿を伝えることを重視したつもりです。そうすることで、よくあるマニュアル本とは1戦を画する読み物になったと思います。
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