ソーミャ・ロイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は過去にインドを旅行したことがある。清潔不潔の認識が日本人とは全く異なるし、ゴミに関する価値観も異なる。ゴミを道端に捨てたら駄目だとか、街を汚しちゃいけないとか、綺麗にしようとか、そうゆう考えは彼らには全くない。だから、街のそこいら中にゴミが溢れているし、川なんかには日本人から見たらまさしくゴミ山なんてものは五万とあるわけだ。
この本に出てくるゴミ山は、私が見たものとは比べ物にならないレベルのものなのだろう。撤去なんて、人類が生存している間に出来るわけもない。そしてそんなゴミ山で生計を立てている人々が多くいることにも驚く。ゴミを売って暮らす、その日限りの生活。そしてそんな人々でも借金をしたり、病院に行ったり出来るものなのかとも驚く。お金を返してくれるとは思えないし、医療費が払えるとも思えないのに。(インドにも妊婦健診があるのか!?)
返せる見通しもないのにすぐに借金をするのも、解せない。結核だと診断され、薬を飲まなきゃいずれ死ぬと分かっていても、平然と薬を飲まなかったりもする。平和ボケをしている日本人には考えられないシチュエーションばかりだ。
そもそもカースト最下位として生まれ、親の職業はゴミ拾い。そんな生き方しか見てきていないのに、人生を変えれるわけがないし、他の生き方を知らないことも問題だ。せめて教育さえ正しく受けることができれば。
インドの現実を突き付けられたようなこの本。私がこの目で見たインドにも確かにこのような現実はあったように思う。 -
Posted by ブクログ
「ゴミ山」とそこからのゴミ拾いで生計を立てる人々は世界のいくつもの地域に存在すると聞いたことあるが、本作はうちインドのムンバイから運ばれる「ゴミ山」を舞台にしている。
いくつもの家族に密着した数年が記されているが、いずれの家族も「ゴミ山」から卒業できる日を夢見つつも、その夢は実現しない。著者が設立した、低利で資金支援を行う人道的財団の手助けがありながらもだ。教育の問題、誰か一人でも家族が倒れれば(そしてゴミ山は深刻な健康問題を生む)当座を支えるためにもやはりゴミ拾いに依存せざるを得ない問題、さらには最も厄介に感じたのが、一攫千金の可能性があるゴミ拾いによって射幸心を刺激されてしまい、コツコツとした労働に向かなくなってしまう問題─などなどいくつもの要因が絡み合っているように思える。
ゴミを拾いながらそれらが捨てられる前の生活を思い描く場面が何度かあるが、都会での人々はおそらくそのゴミを漁る人々に思いを馳せることなどなく気軽にゴミを捨てているはずで、その非対称性にドキリとした。
遅々として進まない行政の対応も並行して描かれているが、福祉の網で人々を丁寧に受け止めながら、少しずつ良い環境となってほしい。