ミシェル・ビュッシのレビュー一覧
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うわあ!またすごい作家に出逢えた!!
大ネタがわかったときは、大袈裟でなく声を上げてしまった。自宅でよかった。
解説の阿津川辰海によれば(その解説が読めるのも豪華。ぜひ解説まで読んで欲しい)、フランス・ミステリーの真髄は「かたり」にあるそうで。
気持ちよくやられた〜という、ミステリ好きとしては素晴らしい読書体験だった。シチュエーションもかなりクローズド・サークルに近いし、島での殺人事件なんて面白くないわけがないでしょう。
ミシェル・ビュッシ、わたしが知らなかっただけで、翻訳されている既刊がけっこうあるみたいなので、読破したいと思います。フランス・ミステリーはあまり読んでこなかったからとても -
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【2024年203冊目】
作家を生むための創作合宿――南太平洋仏領ポリネシアのヒバオア島に集められた五人の女達。号令をかけたのは人気ベストセラー作家。島で滞在しながらそれぞれが創作に勤しむだけの理想的な環境。の筈だったのに、参加者の一人が滅多刺しの死体で発見されて――。
外国の小説というのは翻訳されていても、日本の小説とは全く文体も、リズムも違うので、初めて読む方は戸惑うのではと思います。訳者によっても読みやすさは大いに異なるのですが本作は読みやすいので安心できますし、異国のリズム感を楽しめます。
明示されているようで隠されているようにしか思えない真実に翻弄されっぱなしでした。ミステリーに -
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南洋の島で開かれる創作アトリエに参加したベストセラー作家と作家志望の五人の女性。しかし五人に課題を残して作家は失踪、やがて殺人事件が起こる。明るい印象のリゾート地だし実は無人島ではないし、だけれどやはり孤島ミステリの風格がある、スリリングなミステリです。
「語りにして騙りのミステリ」とはなるほど。叙述ミステリーの巨匠って、それはもうネタバレでは、という気もしなくもないけれど、だからといって見抜けはしません。参加者が一人減り二人減り、最後の二人になってからでも「え?」と驚かされます。うわ、そういうことか~。そして真相を知ってからもう一度各ポイントをチェック。ううむ、お見事。
物語としてのラストも -
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ネタバレフランス領ポリネシア、ヒオビバ島のペンション「恐るべき太陽」荘で開催されている人気作家ピエール・イヴ・フランソワ(PYF)が講師の創作アトリエ(ワークショップ的なもの!?)。
そこに参加するのは公募から選ばれた5名の作家志望女性、プラス同行者2名(ある参加者の夫ヤン、また別の参加者の子どもマイマ)。
講師のPYFはアトリエの場で意味深な言葉を残したのち、姿を消す。
そこから始まる『そして誰もいなくなった』劇場(参加者が次々に、、、)。
ある参加者が滞在中の出来事を交えつつ書き記した作中作『海に流すわたしの瓶』、マイマの日記、ヤンの独白、3つの交互視点で語られる物語。
どうにも矛盾したり、噛 -
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ネタバレ読み終わった。完全に騙された。でも、面白かった。とにかく、ストーリーの展開が上手いと感じた。例えば殺人事件が起こる度ごとに、又は何か大事な出来事が発覚する度ごとに1度、間をおく感じでページを変えたり*や太文字を入れたり、1行開けて完全に場面を変えたりして、興味が続くようにしている。また島の美しい風景を綺麗な文章で表現したかと思うと、鬱陶しいジャングルや泥道、不気味な石像ティキの描き方も上手いと思うし、とにかく表現力が豊かだなと思う。走って逃げる場面など、海外サスペンスドラマを見ているような感じさえなる。
本の紹介にアガサ・クリスティに挑戦とあったが、確かに本文中に何度も『そして誰もいなくなった