森らむねのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この作品は、人との距離感や心の傷をとても繊細に描いた物語だと感じました。大きな事件が起こるわけではないのに、登場人物それぞれの過去や想いが少しずつ明らかになっていく過程がリアルで、静かに心に沁みてきます。
特に印象的だったのは、人は簡単には割り切れない感情を抱えたまま生きているという点です。好きと嫌い、許したい気持ちと許せない気持ちが混ざり合っていて、その曖昧さがすごく人間らしいと思いました。
タイトルの「水は海に向かって流れる」は、どんなに遠回りしても、気持ちは自然と向かう場所へ流れていく、という意味にも感じられて切なかったです。
読み終えたあと、派手な余韻ではないけれど、じわじわと心に残っ