ディーマ・アルザヤットのレビュー一覧

  • マナートの娘たち

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    知らないこともわからないこともあるけれど、ぐいぐい読まされる。1本目『浄め(グスル)の悲しみが鮮烈で強烈だった。『失踪』は何故かマラマッドあたりを連想したり。『アリゲーター』は複雑な構成で最初戸惑ったが、この構成こそが、重さやリアリティを生んでいると気づく。
    力のある作品集。

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    2023年06月19日
  • マナートの娘たち

    Posted by ブクログ

    社会問題を扱った作品は興味があってよく読むものの、なんとなくリズム感が合わなくて、しっくりくる本ではなかったというのが正直なところではあるが、まざまざと苦悩や不条理を訴える内容ではないけれど、確実に存在するそれらが持つ重いものが詰め込まれている本だと感じた。

    「懸命に努力するものだけが成功する」 ー 若い女性が権力を持つ役職のある男性に、能力ではなく恋愛対象の女と見られるか、それに加えてマイノリティではないかが出世が決まる世界を再認識し、やるせない気持ちになった。

    「わたしたちはかつてシリア人だった」 ー 「難民が国家にとってどれだけの負担になるか、利益になるかという研究はおかしい。手を差

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    2023年08月08日
  • マナートの娘たち

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    ネタバレ

    シリアから子供の頃アメリカへ移住してきた著者による、シリア系移民を書く短編集。アメリカ社会において白人でも黒人でもないアラブ人の寄る辺なさが印象的だが、単純な構造の差別を書くのではない(ので出版社がなかなか見つからなかったらしい)のが面白いと思った。
    静かな文章の中に静電気のように漂う怒りを感じるが、それはいったい何に向けての怒りなのかはあいまいだ。シリア系移民たち自身がイスラム文化にも帰属できず不信仰なふるまいをしていたり、シリアのアサド政権下でいい思いをしていた過去があったり、自らも差別をする姿もありと複雑な内容で、彼らの出自は文章中でも隠すように回りくどく示される程度だったりする。自分た

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    2023年07月07日