金田直久のレビュー一覧

  • 白装束集団を率いた女

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    【人間は、その狂気の渦中にあっても、絶えず、その狂気の中に意味を見出し続ける存在なのだろうか】(文中より引用)

    山間に現れて突如ワイドショーを賑わせた白装束集団。千乃裕子率いる千乃正法会とパナウェーブ研究所がどこから現れ、そしてメディアの狂騒劇の後にどのような末路をたどっていったのかを記したノンフィクション。著者は、本書が初めての著作となる金田直久。

    「人に狂気を信じる自由はあるのか」という問題を丁寧に扱った秀作。上から目線になることなく、それでいてどこまで客観的に千乃裕子の生涯を綴ることにより、信じることの不思議さと恐ろしさを両方垣間見せてくれる、味わい深い作品でした。

    当時すごい話題

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    2023年06月19日
  • 白装束集団を率いた女

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    ネタバレ

    「パナウェーブはどう生まれたのか、どんな理由で活動していたのか」を外部の視点からしっかりと書き上げた読み応えのある本。
     教義の説明も、一般常識を持った読者にも配慮しつつ、バカにもしない形で説明してあると思う。
     教祖の女性が亡くなったことで距離を置いているけれども、教えを今も信じているという男性が出てくる。世間話をするといたって知的な会話もできる。
     私の父はパナウェーブとは別の某信仰宗教の一世信者だったが、まさにこの感じだ。ニュースや政治の解説はその歴史背景まで的確に知って答えられるので参考になる一方、メシア観とか魂の救済については一般とは全く別の信念を頑なに信じている。どうしてそうなるの

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    2023年06月04日
  • 白装束集団を率いた女

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    「パナウェーブ研究所」「白装束集団」といえば2003年にメディアが掻き立てた騒動を思い起こす。本書はその騒動の発端である千乃裕子の通史であり1つの宗教史でもある。緻密な取材により構成されている良書。

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    2023年02月08日
  • 白装束集団を率いた女

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    最初こそ教祖の妄想に付き合わされる人たち・・・という印象で読んでいたが、それだけではない、人間のわけのわからない深みみたいなことを感じた。p.274の、聖と俗の違いはあるが聖と狂の違いは必ずしも存在しない・・・みたいに書かれているところは妙に納得してしまった。宗教学等からの知見が書かれていて、それも知らないことが多く勉強になった。著者の次回作もまた読んでみたい。

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    2024年04月17日
  • 白装束集団を率いた女

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    読後のなんとも言いきれないもやもやした感じ…
    本人達があまりに熱心かつ真面目であるゆえに時に滑稽にも見えるが時には羨ましくも見える不思議な感覚

    ただ読んで良かったと素直に思える一冊でした

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    2023年02月07日
  • 白装束集団を率いた女

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    ネタバレ

    著者の調査量に圧倒され続けた本だった。千乃裕子さんの創造力、言語化する力、意志を貫く強い気持ち、自分にはない物をたくさん持っていて大きな組織をまとめる人はすごく力強いと思った。
    正法の内容は理解できないことが多く、精神障害者の頭の中を覗いているような気持ちになった。本の最後あたり、宮野さんのように自分が情熱を向けたものを信じるようになる、という部分はとても納得感があり、宗教を信じる人の心理が理解できた。

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    2025年01月25日
  • 白装束集団を率いた女

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    熱意の行き着く先の一つ。人は自分の物語から逃れらず、どのように物語がかきかわるかにどれ位自分が関与できるかも死ぬまでわからないということなんだろう

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    2023年06月11日