坂口螢火のレビュー一覧
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運の巡り合わせで読むことができた。私にとってはかけがえのない本だと思っている。そして、『鎌倉殿』を観ていない私にとってはこれが初めての曽我兄弟の話だった。
仇討ちは令和の世の中、というより明治以降も許されていない。それでもなぜこんなに関心を惹き付けて止まないのだろう。曽我兄弟にも潔さがあるからだろうか。そして幼少期からずっとあたためていた父の仇を達成したからだろうか。
兄弟の絆、特に荒々しい気性の五郎(箱王)の、兄を慕う気持ちが純朴でちょっと愛らしいと感じてしまった。人を殺すことを目標としてても、他の人を騙そうとしないし手をかけようとしない兄弟の心意気も清々しかった。
あと、注目すべきは -
Posted by ブクログ
鎌倉時代の「曽我兄弟の仇討ち」を題材とした作品。
僅かな史料を元に、曽我物語、歌舞伎や講談などの二次創作まで幅広く取材し、丁寧に再構築された良作です。戦前までは曽我ものって絶大な人気があったんですね。
曽我兄弟の仇討ちは、赤穂浪士の討ち入り(忠臣蔵)、伊賀越の仇討ち(鍵屋の辻の決闘)と共に、日本三大仇討ちの一つとして知られるエピソードで、戦前までは絶大な人気を誇っていたのだとか。
最近は、仇討ちモノは忠臣蔵ですらほとんど流行らないので、曽我兄弟の知名度も低いまま。恥ずかしながら、全然知らなかったので、面白かった。兄弟愛ってのも、昨今だとピンとこないんだろうな。