平出和也のレビュー一覧
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この本を読みながら、登山家とはなんという因果な仕事だと思った。著者、平出和也は、青空の曇りのないすっきりとした人だと思った。長野県に生まれ、父親は警察官で、体力を鍛えることは、子供の頃から見ていた。走るのが、好きで、身体は強健で、走る才能がないと感じたから、競歩の選手になった。そして、競歩は郊外の山道で鍛えるうちに、山登りが好きになった。
平出和也はいう「私には人生をかけて登りたい山がある。私だからこそできる挑戦がある」
高い山に登りたいとか、8000m以上の山を登りたいということではなく、未登頂は登るが、未登頂の山は少なくなっている。平出和也は、未踏のルートがあれば、そこを歩きたいの -
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2024/7/30 とてもショックなニュースだ。平出さんは、中島さんと共に未踏のK2西壁での登頂を目指していたけど、27日に滑落、助けられない位置、状態で、三日目、2人に動きがないことから救助活動を終了することになってしまった。困難な道だからこそ、誰もが簡単には助けられない場所となってしまった。
もっと活躍を見たかった。
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平出さんは、アルパインクライマーであり、山岳カメラマン。
アルパイン・クライミングとは、極めて傾斜のあるような山岳を移動する登山やロッククライミングなどのこと。
かなりハードな環境の中で、体力、忍耐力、精神力が必要。
上村直樹冒険賞と、ピオレ -
Posted by ブクログ
なかなかおもしろかった
日本が誇るトップクライマーの平出和也氏が書いた本ということで購入。著者の登山にかけた半生が綴られている。ピオレドール賞を受賞し、テレビ出演などもしている著者だが、何がすごいのかなんとなくしか分からなかったが、本書を読んで少しは理解した気になれた。6000mを越えるような高山の未踏峰、未踏ルート踏破の能力が他者の追随を許さないのだろう。エベレストには撮影で3回登って楽しかった、というようなことがコラムに少しだけ書かれており、そういう山がフィールドではない。
本書は著者のこれまでの登山を、写真や映像(QRコードでプライベート設定のYou Tube動画が観られる)、登山ル -
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2024年7月に遭難して亡くなった(と判断された)平出和也さんの挑戦の軌跡だ。2023年3月に初版一刷・2024年4月に三刷なので、遭難事故が無くても広く読まれている。
本書に記録されている登攀について、コメントできるほど詳しくないが、これらの登攀の先に遭難や事故が発生することは予見できる。遭難や事故を高いスキルと強靭さで回避してきた様も良くわかるが、次は回避しきれないのではないかという予感は残る。実際、そうなってしまったことが残念だ。
角幡唯介さんの著書『狩りと漂泊』に、“43歳の落とし穴”という一章があり、簡単に言うと、スキルが向上していく経験線と加齢に伴う体力の下降を示す生命力 -
Posted by ブクログ
アルパインクライマーであり、山岳写真家の平出和也さんの生立ちから、数々の困難を極める高峰アタックの振り返りを書いた自叙伝。
登山界で最も名誉とされるピオレドール賞を、日本人で最多の3度も受賞していることからも、超人に相応しい方だろう。
この1冊で、何峰もの経験談が織り込まれているが、時には死を覚悟したことが、さらりと書かれていることには驚いてしまう。
普通の人とは違う生死感を持っているのだろう。
本の中には、QRコードが付いており、登攀シーンが動画で見ることが出来るので、臨場感を味わえる。
麓から撮った未踏の山の写真から、どこにベースキャンプをし、どんなルートで何日かけて征服するかを考え