後藤直義のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コンピューターが出始めの頃アップルはあこがれであった。
それがマックと呼ばれる頃には手が届くところまでおりてきて一時はマックユーザーではあったのだが、windowsが使い物になり始めた頃からまたマックとは縁が遠くなったのである。
会社から支給のipadは持っているものの、自費で購入したアップルの製品は一切無い。持ちたくないと言うわけではないが、あのタカビな価格帯に手を出しかねている。昔感じていたほど高値の花ではないがあえて選択したいとも感じない。
そして、この本を読んでアップルの製品は買うまいと固く決意をしたのである。
アップルはまさしくアメリカの企業である。プロダクトしないで金を集める仕組みに徹している。もちろん他の追従を許さない技術力の高さがなせるわけではあるが、あのガレージ企業であったアップルまでが拝金主義にまみれたアメリカ企業になってしまったのかである。
日本のメーカーよ一致団結してアップルに当たれである。アップルへの追撃をサムソンに任せていてはいけないのである。
日本のメーカーがアップルによってトンでもない状況に落ちいっている状況が良く判る本である。一読をお勧めする。 -
Posted by ブクログ
非常に興味深く読んだ。
アップルのやっていることは、商売の「イロハ」だ。
しかし、利害が交錯すると、その基本を貫くことは難しい。
「良い戦略、悪い戦略」でも冒頭にアップルの例が載っている。教科書に載っているような戦略をやり遂げた例として、ジョブズ復帰後が取り上げられていた。
本書では、アップルのビジネスと日本の関係について、1)生産現場2)家電量販店3)音楽産業4)携帯キャリア5)特にソニーとの関係、と、現状を赤裸々にリポートする。
第6章では、アップルが貫いてきた「シンプル」なビジネスを、今後も貫けるのか、株主・従業員・ユーザーの支店からまとめられていた。
しかし、名だたる有名なメーカーがアップルに部品・技術を提供しており、その依存度は高く、アップル製品の売上に自社の運命を依存せざるを得ない状態というのは、かなり衝撃的だった。
確かに、「安売り合戦」となり、寡占化が進んだ家電製品の流通・販路で量販店が得ていた利益構造は、こういった形で破壊されるだろうとは、起きてみると素直に頷ける。
判断の速さがビジネスに直結しているという例が、ソニーを取り上げた章では特に詳しく書かれていて、なかなか難しい話だな、と思った。
戦略の「驚き」とは、教科書に載っているような基本戦略を貫けるかどうかだが、利害関係者が増えると、組織としての一体感も方向性も力も分散してしまう。
これを抑えることが出来たこと、が、やはりアップルの現在を作ったのだろうと思う。
それはやはりジョブズの力なのだろうか? -
Posted by ブクログ
アップルが特にiPhone、スマートフォンの発明を通して、いかにデジタル系のものづくりのあり方を変革させたのか、がわかりやすくまとめられた本。
前半は日本の各企業がiPhoneの部品メーカーとしてアップルの言いなりとなり、厳しい状況に置かれている現状が書かれている。特に「アップルの下請けとして大量注文には巨額投資の必要と受注を失った時の生産設備余剰という2つのリスクが存在する」という言葉が印象的。
中段はiPhone登場前までは、キャリアがメーカーに何を作るか指示していた。ジョブズは電話を再発明するとして、キャリアによるメーカー支配の構図を壊し、逆にアップルによるキャリア支配の構図を作ったという内容が書かれている。
後半は主にソニーとの対比を通して、ウォークマン、サイバーショット、ソニーミュージック、Moraなどの各サービスをアップル・iPhoneが巧みに取り込んでいったかかが書かれている。
少し古いが、ハードウェアベースのサービス事業に興味があれば必読の書と思う -
Posted by ブクログ
シリコンバレーのベンチャーキャピタルSozoventures協力の下、ベンチャーキャピタル業界の産業構造や特性、業界の現実を説明した上で世界で活躍する30ものベンチャーキャピタルの投資家たちのインタビューをまとめた本。
日本ではベンチャーキャピタルと言っても会社がギャンブルをやっているようなものと捉えられがちだが、シリコンバレーを中心とするベンチャーキャピタル業界ではそれ自体産業と捉えられていて、その規模も2020年で3474億ドルだそうだ。(因みに日本は45億ドル)
もちろん上場企業に投資するわけではないのでその投資先の過半数は元本を割り込み、10倍以上のリターン案件は4%ほどというハイリスクハイリターンの投資で、勝ち組ベンチャーキャピタルはトップ1%しかないのであるが、その投資は決して運任せではない。
それぞれベンチャーキャピタルには各々の強みがないと生き残れず、例えばもと研究者でその研究分野の事業評価に強みを持つとか、ある特定の地域の消費者の嗜好や法律に通じているとか、人脈が豊富でサポートできるなどの強みを活かしてカネとしての投資のみならず営業面や知財面、技術面や法務面等のサポートを通じ元本10倍以上のホームラン案件を増やすべく努力している。
本書で取り上げている代表的な30のベンチャーキャピタルの特徴もSaaSやFintecに強いものから一流の科学者を集め、仮説を持ち寄り、創業のヒト・モノ・カネの段階から作り始めるタイプのもの、インド・南米など特定の地域に通じているタイプのものなど様々だ。
ただ、金融緩和が終わり、金利上昇の局面に入ろうとしていることや、米中対立やウクライナ戦争のように世界で分断が進んでいることなどを考えるとリスクマネーの供給もかつてほどには進まないようにも感じる。しかしながら脱CO2の問題が世界の課題となったり、IT革命に続くAIの革命で旧来型の産業が一部転換しつつあることもまた事実で、その点ではリスクマネー供給による社会変化が望まれる。
ただ、日本としてはこういったベンチャーキャピタルの役割を商社が果たしていたり、親会社の新事業として子会社を立ち上げてそれを親会社がサポートすると言ったような日本的なイノベーションも存在しているように感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレベンチャーキャピタルの本。おもしろい。
世界的なvcに直接インタビューし、当時哲学が語らられている点は非常に貴重。
メモ
・vcファンド全体の65%が失敗に終わる。トップ%が利益の多くを独占
・共通点として独自仮設によって勝ちパターンを見出す再現性へのこだわり
・全てのトップvcに共通するのはスタートアップ創業者に価値提供するためのはっきりしたコンセプトがある点。ブランド、人脈、専門性、資金提供、アプローチが異なるだけ。
・ファネルの最上位は常日頃から目をつけている投資検討先4000-6000社。常にこれを更新続ける。トップ投資家の投資先を重要ターゲットとして加えたりする。1年で50者ほどタームシート提出。進めばDD。プロダクト成立の検証、初期ユーザーヒアリング、知財チェックなど。投資に進むのは10件ほど。
・元本100億に対し、10年で少なくとも200-300億になることを期待。年利12%以上が必要
・全体の64%は損失。10倍以上は4%にすぎない
・zoom投資。異常値とも言えるようなユーザー数増加。創業者に成功の根拠があった。
・シリコンバレーのベンチャーキャピタル御三家
セコイア、ベンチマーク、アクセル
・いかにエキスパートに出会うか。
・最高の投資は多くの人が最初はそれはどうかなと疑ってしまうようなもの。 -
Posted by ブクログ
Venture Capital業界の最新動向と主要プレイヤーを網羅し、それらのキーマンの直接インタビューが掲載された非常に貴重で稀有な書籍である。そしてこうしたVC良書が、日経でもなくダイヤモンドでもなく、NewsPicks編集部から刊行されたというのが新しい時代の変化を感じさせて興味深い。VC業界はリーマンショック以降はヘッジファンド・投資銀行出身者が増えてPEに類似した「金融」の趣が濃くなった時期もあったが、本来VCと起業家は既存金融とは異なる一蓮托生のウェットな関係にある。一夜にして1,000億円の運転資金を確保したRibbit CapitalとRobinfood、取締役就任をVCと一緒を条件としたVenrockとIllumina 10x Genomics、パートナーからの馘予告の誤転送をバネにしたKleiner PerkinsとBOX。特にFlagship PioneerringとModerraの関係は、mRNAという理論をコロナワクチンとして具現化し世界を救った、偶発的ではない意識的にイノベーションを生み出す人間のクリエイティビティの最高潮といえるVCの醍醐味だろう。
本書に描かれる世界は雲の世界のことのように感じるが、本書を読むと興奮と高揚を感じるし、彼らも少し前は雲の下に居た、つまり読者だってイノベーターになれるんだという事実を気付かせてくれる一冊だ。