アップルの下請けと化した日本メーカーの苦悩の本だな、という率直な感想。
例えば、iPodを磨きあげた日本の中小企業の匠の技は、ビデオに撮影されて、こなれた研磨の仕事は、安く大量に生産できるアジアの国へ移植されてしまった。
日本の匠の技術をあっという間に飲み込み、海外展開によって、あっという間にコモ
...続きを読むディティ化させる、という残酷な一面。
iPhoneの部品には、日本メーカー(ソニー、セイコー、TDK、JBD、三菱電機、東芝、シャープ、村田製作所、パナソニック等)が多数関わっている。
新型iPhoneの売上だけで、米国のGNPを0.5%も押し上げるくらいの影響力があるのだから、日本メーカーの受注生産の売上はものすごい。
でも、大量注文には、巨額の設備投資と、受注を失った時の生産設備余剰のリスクを背負う。丁度、シャープのように。
改めて読み直すと、アップルという一大経済圏に日本メーカーが下請けとして飲み込まれてしまって、手も足も出なくなっている、という感じ。