イビチャ・オシムのレビュー一覧
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日本サッカー界の名将で去年亡くなったイビチャ・オシム氏の著作。
日本サッカーを文化的側面から分析し、日本人のメンタリティ、思考について論じられた本。
フォーメーションや戦術にフォーカスされがちなサッカーをメンタリティの観点から分析されたものは新鮮に感じられた。
リスクを負うことの重要性や、考えながら走ることが説かれていて、特に走力の重要性は今でこそ重視されているが、10年以上前からこれ程重要性を強調していたオシム氏には改めて驚かされた。文中にも代表監督候補やJリーグの底上げなど日本サッカーの展望を描かれており、先見の明を持たれていたことが伝わった。
日本サッカーの発展に寄与され、日本を -
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これは、イビチャ・オシム氏の2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会の分析レポートです。
そして、日本チームへ、残した言葉が、”恐れるな”です。
冒頭で恐縮ですが、各章と、その内容について以下にしめします。
はじめに
これは、本書を書かかれた理由を話されている
第1章 ほんの少しのリスクと勇敢さを
オシム氏が感じている日本チームの特徴、振り返り
第2章 ベスト16の真実
日本チームの4試合の時系列的分析
日本1-0カメルーン 6月14日
日本0-1オランダ 6月19日
日本3-1デンマーク 6月24日
日本0-0パラグアイ 6月29日(PK3-5)
第3章 -
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イビチャ・オシム氏は、世界の頂点であるサッカー指導者のひとりだ
その指導者が日本にきてくれて、日本のために、本場のサッカーを教えてくれていた
なんと幸運な時代であったのだろう
本文は、「リスクを負わない者は勝利を手にすることができない」で始まる
分岐点となるのは、彼らが「自分たちはできる」と信じること。つまり「自信」を持つことなのだ。
自分たちには「何ができて、何ができないのか」。もしくは相手が「何ができて、何ができないのか」、それらを客観的に分析することが必要なのだ。
相手にとって一番強いポイントこそ、最も傷つきやすいウィークポイントなのである。
サッカーには集団的インテリジェンス -
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ネタバレ久々に本を探索していた時にオシムさんのこの書を見つけた。
思えば幾年も経過したが、自分が読書を習慣づけるきっかけとなったのが木村さんの「オシムの言葉」であった。
あの書をゲレンデへ向かうバスの中で貪るように読んだことを今でも覚えている。
やはり今でも多くのインプリケーションをもらえるオシムさんには本当に感謝しかない。
本書においてもオシムチルドレンのJリーガーたちの質問なども記載がある。
私は特に印象に残ったのは水野晃樹選手の質問だ。
「昔のプレースタイルを追い求めるのをやめ、新しいプレースタイルを追求したほうがよいのでしょうか」
オシムによって成長し、一時はセルティックに移籍、その後紆 -
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急いてはいけない
時には立ち止まって考える事が大事だと。
この本はサッカー監督のための本では無い。書いてあることはサッカーだが、それを置き換えても十分に通用する教えが書かれている。
何をどう話すと相手に伝わるか?
こんなことまで答えてくれる。
ハードカバーのビジネス書より薄くて安くて深い言葉。
こんなすごい監督が日本にいたこと、千葉と代表の監督をしてくれたこと、今でも日本を気にかけてくれること。全てに感謝したい。
常に取り出して読み返す本。
#当時浦和対ジェフの試合を見たが、こんなに後から後から選手が飛び出してくるサッカーは見た事がなかった。しかも強い。
なぜこの流れをジェフは -
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ネタバレチェック項目20箇所。日本のサッカー選手は機敏に良く動き、勤勉。敏捷性、尋常ではない闘争心、サッカーに必要な多くの感覚や素晴らしい個人技術・・・しかし技術がチームのためになっていない。ピッチで指示を待ち続けていては試合に負けてしまう。どのチームにもストロングポイントとウィークポイントがある。どんな場合もそれを客観的に精査しなければならない。責任転嫁しない。スターに敬意しすぎる。情報収集は必要だがしすぎると恐怖に変わる。自分たちには何ができて、何ができないのか、相手には何ができて、何ができないのか客観的に分析することが必要。自分を信じることがメンタリティの中でも最優先されるべきこと。相手の一番強
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ご存じ、イビチャ・オシム氏が南アフリカ・ワールド杯を振り返り、そして2014年ブラジル大会までに日本代表が何をすべきか熱く語った一冊。日本の全試合、各選手について、審判、Jリーグ、優勝したスペイン代表、戦術、観客、マスコミ、JFA、ザッケローニ等、我々が知りたい全方位のテーマに対する言及がなされており、氏の日本サッカーへの深い愛情を感じる。
読み進めていくうちに、ふと、オシムこそ現在考えられる”最強のキュレーター”なのではないかと思った。
キュレーター=情報を収集し、選別し、それらに「意味づけを与えて」、共有する人。
オシムほどの人をつかまえて”キュレーター”とはいささか失礼な感もある。ただ -
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ネタバレ買うときは知らなかったが、読んでみると南アフリカW杯に向けて出版された本のようだ。結果が分かっている未来から読み直すという形になったが、そのことでオシムの慧眼に改めて驚かされた。メディアはW杯を中心に報じ、負ければ一斉に監督を非難し、チームの問題点を論う。しかし日本サッカーを真にワールドクラスに引き上げるにはそのような近視眼的な思考は足かせになる。
オシムは日本が抱える慢性的な問題として、「責任感」、「ディシプリン」、「リスク」を挙げている。これらは2017年時でも解決すべき課題のまま残っていると思われる。またさらに本質的な問題として日本にはサッカーが文化として定着していないことが指摘され -
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ワールドカップが 終わり、
なんとなく 不完全燃焼があった。
野球やラクビーの選手や監督の 本を
読んだことが あったが、
サッカーについては、ほとんど読んだことがなかった。
たまたま イビチャオシムの本が あったので、
手に取ったが おもしろい。
『サッカーの思想家』と言われるだけあって、
人間論、日本論が 背後に しっかりと控えている。
サッカーに対する 思い入れも 充分に伝わる。
『脳梗塞』で倒れても、未だ、健康な思考の中で
考察している。
実名で それぞれがでてくるし、2014年のワールドカップでも
でた選手が多いので、なるほどなぁ。サッカーって そうみるのか
と あらためて 認