イビチャ・オシムのレビュー一覧
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イビチャ・オシム氏。
W杯へ向けての各国の準備状況や、岡田監督に配慮しつつ日本の戦い方について提言を与える。そして日本サッカーは未来へ向けてなにを準備すべきかについて語る。
分厚い本ではないけど、内容は濃い。
例えば、「ベスト4」という大きな目標を持つのは当然だし、それに対して悲観的である必要はない、という。選手ばかりでなく日本國民もだ。萎縮し恐怖しては達成できるものもできなくなってしまう。ただし、イケイケドンドンの盲信ではいけない。
こうした凛とした言葉に、読み手は大いに勇気づけられる。
話題は一貫してサッカーの周辺から動かないが、内部からはなかなか見えない「日本人論」、または「日 -
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ネタバレ面白かった。
2010年W杯直前にオシムが語った、当時の日本代表についての分析本………それを、結末を知ってしまっている今(2012年)読んだ。
当然、当たっている部分もあれば、本大会では違う結果になる部分もあった。
でも、合っていても違っていても、一つ一つの言葉には納得できる。
あの6月の岡田ジャパンで、もし中村俊輔がもっと光を放つことができたなら………
中村俊輔が、オシムの教えを忠実にこなしていたなら………
と、“たら・れば”が頭をよぎる。
で、最後はやはり、
もし、オシムが倒れることなく指揮をとり続けていたら………
という夢想(願望?妄想?)にたどり着いてしまう -
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なぜ日本人はリスクを冒さないのか。という副題のつけられた本書は2010年南アフリカW杯直前にオシム元監督によって書かれた考察本である。
その副題のとおり日本代表がW杯で勝ち上がって行く中で必要なことはリスクをかけたプレーをプレーヤー自身が判断しながら行っていくことだと述べられている。主にW杯にむけた内容なのでW杯の終わった今になって読むと少しつまらない部分も多いが、オシム元監督の持っているサッカー観非常に面白く、サッカーにいかせる部分も、さらには人生にもいかせると思う部分も多くあり非常にこれからのサッカー人生に一つの視点が加えられたことを喜んでいる。
中でも興味深かったのは『敗北の覚悟』を -
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考えながら何かをすることの大切さはどんなことにでも言える。
日本のサッカーは近年発展してきたが、昔の育成の現状はひどいものであった。Jリーグの下部組織は別として、地方の公立の中学校など、全く考えず練習をこなしている選手達がほとんどであるという状況を肌で感じてきた。感覚でプレーをしている選手がほとんどで、考えさせようと努力をしていた指導者は多数いたとは思うが、考えながらプレーしていた選手は少数に限られていたと思う。
オシムはそんな日本に当然の考えを持ち込んだ。バレーや柔道など、昔から日本でメジャーなスポーツでは考える文化が存在し、選手達も自動的に考えるように育つ。サッカーはまだそこに達してはいな -
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もしもオシムさんが引き続きサッカー代表監督をされていたらどうなったかという「もしも」の想像をたくましくする本。
言わずと知れた、「考えて走る」サッカーという言葉が標語のようにもなった、
サッカー前日本代表監督のイビチャ・オシム氏の本です。
「2010年4月10日初版発行」となていますから、まだ新しめの本です。
あと20日くらいに迫った、南アフリカW杯に向けた、
日本代表に関する内容になっています。
まずは、グループEのカメルーン、オランダ、デンマークの
チーム分析、紹介から始まっていきます。
そして、各国とどう戦うべきか、日本に分はあるのか、
というところを論じてくれます。
そして大会の見ど -
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ワールドカップ南アフリカ大会の前に書かれた本
『考えよ!』の続篇、
イビチャ・オシム『恐れるな!
ーなぜ日本はベスト16で終わったのか?』を読む。
凡百のサッカー論評と異なり、
オシムの視点、洞察はいつもサッカーというスポーツの見方を
僕に教えてくれる。
戦前の予想と異なりベスト16に残ったことを
メディアも僕たちも讃えていたが、オシムは違った。
ベスト8、ベスト4に進めた可能性もあった千載一遇のチャンスを
日本代表は逃したと断言する。不足していたものは勇気である。
失敗を恐れず、敵陣を突破しようとする試みが
ほとんどなかったことを指摘する。
その原因は、日本のメディアに叩かれることの恐怖で