周憂のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
表題作「君の余命、買い占めました」を含めた12編、どれも“生きづらさ”と共に語られることが多い現代的な事象がモチーフになっているものの、つらさの中に“救い”が語られる短編集です。
非正規雇用、孤独死、ハラスメントなどニュースでは社会問題としてネガティブに語られる事象であっても、そこに人がいる限り生まれる心の通い合いやちょっとした奇跡がうまく描かれていて、ホロリときたりジーンと感動したり、感情が忙しくなりながら引き込まれて一気に読みました。
個人的なお気に入りは「余命告知シミュレーション」、Z世代であろう緩和ケア医の成長譚とも言える作品です。電車の2駅分ほどで読み終わるので成長譚とは -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
短編12編集。
玉石と言うほどでもない。
大したことのない、ほどほどの小編。ちょっと星新一っぽいところも感じるのだが、基本、ワンアイデアのプロット表示。
うーん、だったらどうすんのと自問するが、そう思うと各編、アイデアを削った削った表現でギリギリ編んでるのか。
いいのかも。こう言うの読みたい人には。
ただ、テーマは恥ずかしいと言うかちょっとウザいとというか、やっぱり高校文芸部っぽくて、人生終盤のおじさんには、必要なかったかな。
文章は、上手いと思います。
その短い中で、つっかえもなく、最低限の登場人物が、居る。かなり文章推敲してるんやろうなあ。
本のタイトルになってる「君の余命、買い占 -
-
Posted by ブクログ
正直言うと、帯の「サッと読めて 感動できる」というキャッチコピーは大嫌いです。そもそも本でも映画でも「感動できます」とかいう売り方が好きになれなくて、「ほらほらココ、感動的でしょ」みたいなアプローチをされると冷めまくる。それでも本作を読みはじめたのは、月末に「今月もあまり読めなかったなぁ」と思っていたところへ「サッと読める」が目に飛び込んできたからです(笑)。
12編の短編のうち、最初のほうは上記のような思いがあるから「やっぱりね」。だけど、2年前に弟を、2カ月半前に母を亡くした身だからか、先へ進むほど心に染みる。特に最後の2編。最期に母の目を伝って落ちた涙を思い出すし、父はまだ健在ながら、 -