チョン・ヨンジュンのレビュー一覧

  • 幽霊

    Posted by ブクログ

    拠り所のない生まれ育ちの男が主人公で、十二人を殺害してもその魂は静まり返って見える。死刑囚474番とは。 第4回 #出版社合同韓国文学フェア 応援読書会に参加して読んでみました。
    父を殺した姉(シン・ヘギョン、あとになって姉ではなく母親だと判ります)は、弟(シン・ヘジュン)にも同じ性癖を感じ困惑し悲しみに打ちひしがれ、愛憎のはざまで弟を捨てたのです。
    一方捨てられた弟はまだ小さく(今では死刑囚)社会性、自己認識への成長過程は、霧の中にいるように、自分の存在さえきちんと掴むことができない年齢だったのです。

    集団を作ってきた人類の歴史は、その社会の一員として依って立つ基盤である社会制度、住民番号

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    2026年02月05日
  • 幽霊

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読んでいて不安になるような内容だった。短い物語だけれど、人間のことを一歩踏み込んで描いている。
    死刑制度を真正面から取り扱っていて、出版時さまざまな意見が飛び交ったのではないだろうかと想像した。
    四七四番の本名や過去が判明していく前は、深淵を覗くような恐ろしさがあった。それは鏡に映る自分のようでもあって、虚無の空間が生まれるような恐怖。
    でも少年時代の話などを読んでいくと、こちらの感情も次第に複雑に変化して、断定できない、つかみどころのないものになっていく。
    人間を信用できない自分にも驚かされる。死刑囚の告白を信じていいのか、すべて作り話なのではないかと疑う気持ちが絶えず出てくるのだ。
    そうや

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    2026年02月02日