ヴィオラ・アルドーネのレビュー一覧

  • オリーヴァ・デナーロ

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    ネタバレ

    とても良かった。特にエンディング。

    「女は水差しだから、割った人のところにもらわれていくものなの、と母さんは言う。」という冒頭からしびれた。

    男である弟は気にせず、人と話し、外に出かけ、好きなことができる。一方女性は、こうあるべきと言う制限をつけられ、頭が良いことが必ずしも良いことではない。

    償い婚に、1981年まで本当にあった刑法など、現代を生きる一女性としては、頭に来る話だ。

    ケーキ屋さんでオリーヴァが言った言葉が少しばかり心を軽くしてくれた。

    「20年前、あなたが私に無理矢理持たせようとしたものを、自分の稼いだお金で買いに来たの。私が何を手に入れたかですって?選択する自由を手に

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    2025年08月22日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    イタリアってとても宗教に深い国で、その延長線上に生活がある。日本人にはなかなか理解に苦しむところは多い。そんな欧州を教えてくれる一冊。

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    2025年03月22日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    普段は高校の国語教師をしている、イタリアの女性作家による小説。本作はイタリア版本屋大賞に選ばれるなど、33言語に翻訳されて刊行されています。そのためか、文章は平易で読みやすかったですが、ところどころ心に刺さる場面もありました。

    あらすじ
    第二次世界大戦後のイタリアで、南部の貧困家庭の子供たちを、比較的暮らしの安定していた北部の家庭に送り届ける”幸せの列車”が運行されていました。そんな時、ナポリに母と二人で暮らしていたアメリーゴも、7歳のときにこの列車に乗せられて、モデナの裕福な家庭に預けられることになります……。

    “幸せの列車”に乗る前と後の世界の対比が、ある意味残酷ですね。食べるのに何も

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    2025年01月15日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    ネタバレ

    第二次世界大戦後のイタリア。南部の貧しい子どもたちを北部の豊かな家庭に預けるプロジェクト「幸せの列車」。時代の厳しさや暗さを打ち消すくらい主人公の少年が可愛らしく魅力的でぐんぐん惹き込まれた。多くの子どもたちと同様に列車に乗り込み、北部で新しい家族と夢のような時間を過ごした後、一度は南部に戻り母との生活を再開させるが、家を飛び出し北部の家族の元に戻ってしまう少年。40年後、母の訃報を知り実家を訪ねるところからは、懺悔と償いだろうか。翻弄された人生があまりに酷で切ない。救いは、母親が彼が去った後、一人ではなかったということか。

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    2023年05月05日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    ネタバレ

    戦後のイタリア、貧しい南の子供たちを少しは余裕のある北の人々が家族として迎え入れ支援した事実に基づくフィクション。手放す親の悲しみや世話をした人々の深い愛、そしてその間で揺れ動く子供の感情。少年視点で語られる風景や思いが溢れ出て、静かに激しく心震わせる。
    とてもすばらしい物語です。

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    2022年12月11日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    困難を乗り越えようとする主人公の姿
    複雑な感情を抱えた母親
    不器用ながら芯の強い父親
    人物の描写がいい
    できれば若い女性に読んで欲しい
    試してみませんか

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    2025年05月10日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    オリーヴァを見守る家族愛、特に無口な父の姿に
    感動した 今日の女性の権利は昔からあった根強い風習、伝統、しきたり、法律などとの戦いから勝ち得た女性の生きる姿であり万国共通なのだなぁと感慨深い

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    2025年04月28日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    戦後のイタリアの事実をもとにした作品。「幸せの列車」に乗って本当に幸せだったか、改めて幸せとはなにか考えたくなる。

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    2023年11月16日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    第二次世界大戦から間もない頃、イタリアでは共産系の人々・組織の手によって、貧しい南部の子どもたちを比較的裕福な北部の家庭が受け入れるということがあった。その子どもたちが北へ移動する際に乗った列車が「幸せの列車」などと呼ばれた。
    そんな話は聞いたことがあるような気もするし、初耳でもさもありなんという取り組みだ。それにしてもこういう南北の格差ってわりと古今東西あるもので、なぜか南のほうが貧しいパターンが多いのはなぜだろう。
    この本の主人公アメリーゴも「幸せの列車」に乗って北部の家庭でしばらく暮らす。そして片親の母親のもとに戻ってくるのだが、母親とのすれ違いがあったりして、家出同然に世話になった北部

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    2023年01月29日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    物語を読む楽しさがある。洒落たウィットに富む表現に思わず道草をつまみ食いする様な心地よさを感じる。
    イタリアの南北問題、南の子供達を親子関係を一時的にも断ち切る様な人道的支援、初めて知った。
    著者の祖国の人民に寄り添う意思が根底に感じられ、たまたま読んで思いがけず拾い物に得した気分となった。

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    2022年12月14日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    少し不穏な空気を感じながら読み進めたが、主人公の少年が北部の家族から愛されて大切にしてもらっていたことに安心しました。実の母と自分の町から離れる道を選ぶことになった心の苦しみはいかほどなのか。子どもにそんな過酷なことを強いる社会や時代に心が痛みます。
    友人の少年のようにどちらも得ることができた人生もあったのではないか、と思わざるを得ません。
    最後に、母の死と甥を通してわだかまりを解消し希望を持つことができたことに救われました。
    以前読んだ『帰れない山』の翻訳者と同じ方だと知り、もっと関口さんの訳書を読みたくなりました。

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    2022年11月25日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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     本を読めば、国語が得意になるとは思わないが、知識は豊富になる。
    戦後のイタリア、貧しいナポリから、比較的豊かな北の都市へ連れられていった子どもたち。そこでたとえ豊かな生活が送れたとしても、実の親と引き離された事実は、子どもたちの人生に瑕疵を残す。
     戦争は、今だけでなく、未来にも暗い影を残すことを私たちは忘れてはならない。

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    2022年11月19日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    抑圧に従う不幸と、抗う不幸どちらも存在するということ。
    なぜ声を上げなければいけないのか、声を上げる女性に対して、社会は考えたことはあるのか。
    時代も国も違うけれど、現代にも同様に無理解と差別に傷つけられ苦しむ女性はたくさんいるのだと思う。

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    2025年10月08日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    「ノー」ということがどれだけ大変なことだったのか思い知らされました。
    決して自分に非はないのに、自分に非があったかのように扱われるオリーヴァ。
    今の私より幼いのに理不尽という言葉で言い表せられない場面が続いて、胸が痛みました。
    それでもなお、闘おうとするオリーヴァの強さに驚きました。彼女は謂れ無い誹謗中傷を受けても、それでも自分の信念を曲げずに闘う道を選んだ。それは正解かは誰にもわからない。
    納得のいかない結果に終わったとしても、1人の女性が「ノー」と言った記録は残る。後に続く女性がきっといる。オリーヴァのしたことは、他の女性にとっても希望になったのではないでしょうか。
    日本でもいまだに性被害

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    2025年04月20日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    読み始めてすぐに、本当に1960年代のイタリアが舞台なのか、第一部のタイトルを見直した。先進国の中では日本やイタリアは女性の社会的地位が低いと言われている。一人一人の声は小さいかもしれないけど、社会が良い方向に変わっていけば良いなと思う。男性にとっても女性にとっても。

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    2025年03月31日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    子どもを他の場所に連れて行くというプロジェクトは多いけれど、ポジティブな結果も生んだというのは珍しいな

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    2023年09月04日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    イタリアで高校教師をしながら、執筆をしている筆者。ベストセラーも出す人気作家というのはよく理解できる。
    読み易い、しかも登場人物の裏面も含めた細かな描写が会話や心情をつづりつつ、美味く読み手に伝わってくる。

    第一部~第3部は1946年、第四部は一人称の語り手僕が過去を回顧する形で48年後に時計が進んでいる。
    誰しもが感じる【時の流れの中で 自分の想いと子なる方向へ進んで行った 意に染ま無い選択或いは思いをかんてつさせた為に諸々の軋轢を生んだ】臍を噛む様な感情。

    それを淡々と描くことで読み手に 何かしらの共鳴音を醸し出している~事の良し悪しは別として。
    イタリアのTV語学番組を齧る程度に聴き

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    2023年01月18日