アフガニスタンの女性作家たちのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ずっと、気になっていた本です
アフガニスタンという国を、私はよく知りません
この本はフィクションだけれども、フィクションではないのでしょう
海外文学を読むと、日本との文化や考え方の違いに大いに驚きます
日本ではあり得ない、でもそれは他国ではまかり通るのです
日本の小説も、当たり前のように時代に合わせて変化しています
だからここに書かれていることは、フィクションだけれども、かなりの事実が含まれているのでしょう
読むのが辛かったものもあります
その中に、ほんの少しの希望を持てたものもあります
今のアフガニスタンで権利を奪われている女性たちへ私たちができることは何もないかもしれない
代わりに -
Posted by ブクログ
「作家紹介」のない本を初めて読んだ。
作家の名前や経歴を明かすことがいかに危険であるか!アフガニスタンという国の状況、そこに住む女性たちが何を思い何を求めているのか・・
知りたいと思い手に取った。
タリバンが復権する前に書かれた、女性作家18人によるアンソロジー。
アフガニスタンのダリー語とパシュトー語から英訳されたものを、翻訳家の古屋美登里さんが日本語に訳された本。沢山の人々の手を介して生まれた一冊なので大切に読ませて貰った。
"抑圧"を受ける女性たちの日常が見えるようで何度も読む手が止まった。
「八番目の娘」
今回こそ息子を授けてほしい!と絶食する私は妊娠8ヶ月。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレBSテレ東で放送されている番組「あの本、読みました?」を毎週観ているのですが、ちょっと前にゲストで出た宇垣アナが紹介していて読みたいと思った本。
著者はアフガニスタンの女性作家たち18人。
抑圧されている社会の中でも、小説を書きたいという女性たちを募って、イギリスで出版されたこの本。
当然、彼女たちの言語での出版はいまだに叶っていません。中には、身の危険を感じて国外退去をしている作家もいるそう。
命がけで書いた短編(長編を書く余裕も安全もない)は、小説のはずなのにノンフィクションかと思うほどリアルで悲惨な内容ばかり。
女性差別、家父長制、貧困、さらにテロや暴力、死。。。
もしかしたら、登場 -
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Posted by ブクログ
ネタバレものすごく良かった。
苦しく、悔しく、やるせない。衝撃と絶望。総じて漂う女性の不自由さ。社会通念の呪縛。そして、沸々と湧き起こる怒り。
産後病院から戻ると、男の子が産まれないからという理由で夫が新しい妻との宴を開いている「八番目の娘」、セクハラに文句を言ったら給与未払いで解雇された「共通言語」、暴力を振るう姉の夫を殺めた弟と彼をかばい有罪となった先生の物語「ダーウードのD」。
一方で、希望や清々しさを感じる作品には心救われた。
タダでバスに乗せてくれた運転手さんの優しさが沁みる「冬の黒い烏」、女性のリーダーシップと女性たちが力を合わせて団結力の強さを輝かせる「アジャ」、心ときめく赤いブー -
Posted by ブクログ
どんな感想を書いたところで、本書に書かれている現実に比べればあまりに軽薄なものになってしまう。読んでいてどれもこれも非常に厳しい話で、読み進めるのが辛い。「私の中のあなた」以来の辛さだと感じた。
にわか雨が降るように爆弾が落ちてくる。あっけなく人が亡くなる。それも子供が。
生まれた性別が異なるだけで人とは思えない扱いを受ける。
どうしてこうなってしまうのだろう。
それでも、一人でも多くの人に現地の状況を知ってもらい、寄付なりなんなりできることを行動に移してもらえるよう、微力でも書かねばならないと思う。
日本でも、形は違えど本質的に同じような問題は現在もなおある。それらも併せて頭に置いてお -
Posted by ブクログ
アフガニスタン(以下、アフガン)の女性作家18名による23篇の作品が収められている。
紛争などによって疎外された現地の作家を発掘するプロジェクト〈アントールド〉により集められ、更に英語圏の読者に読んでもらうべく現地の翻訳者が英訳。アフガンの人々によって彼女達のペンは翼へと姿を変え、世界中に羽ばたいたのである。
装丁・タイトルに惹かれて手に取ったが、想像以上に意義のあるもので本を持つ手に力が入った。
「みなさんの心を引き裂くような文章も本書にはあります」
「思わず息を殺してしまうような文章も記されています」
こんな文言がまえがきにあったら、その先は覚悟を決めて読んでいくしかないだろう。(どうし -
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Posted by ブクログ
戦争やテロ、デモが当たり前に存在すること、そして家父長制もまた当然として存在することそれが大前提として物語が進むために、展開や心の動きの何もかもが予想できず衝撃的だった。
アフガニスタンの女性がそれらを受け入れてて諦めているのではなく、当然苦しんでいて足掻いているということが痛いくらい伝わって、苦しい物語も多くあった。
一方で、子の安全を願う気持ち、働くことに生きがいを感じることといった同じ気持ちも感じることもできた。
また、アフガニスタンではどのような食器でどのようなものを食べ、飲み、どんな家に住んで、買い物は、学校は、などの暮らしが目に浮かぶような描写が素晴らしかった。