澱介エイドのレビュー一覧

ファム・ファタールを召し上がれ ２

澱介エイド / ひょころー

個人的な読書体験の基準として、
導入に無理をすればするほど
その分のリターンがほしい、
リターンがあれば無理を押し通すことはやむを得ない。

みたいなものがあるのだけれど、
その無茶な導入と
最大限のリターンを味わえた本。

前回のラスボスがすぐ帰ってくるのは
展開として急ぎ足すぎる気はしたけれど、
それをやっただけのシーンは用意されていた。

気付いたら大所帯になっていく展開ですか？

ファム・ファタールを召し上がれ

澱介エイド / ひょころー

人類と魔族の戦争終結から50年。
魔族は人類との友好を図る。
差し出されたのは傾国の大罪人。
引き受けるのはひきこもりの魔王。

ストーリーとしては、
現代にこの物語をやるならこういう展開と背景を用意するだろうなあ、という想像をきっちり嵌めてくる。
十分楽しめる内容。

内容としては、
せっかくツッコミ役に“魔王”というつよつよ肩書きがついているのにその辺の高校生でもできそうなワードセンスにとどまっていたのがもったいないイメージ。
もうちょっと魔王をこじらせていたら、もうちょっと独自色が出そうな気はした。

ＳＩＣＫ －私のための怪物－

澱介エイド / 花澤明

他者の精神世界を渡り歩き、精神世界に潜む「フォビア」を駆逐することを生きる目的とした少女を描く、ダークファンタージー。
常軌を逸した雰囲気を纏う、狂った世界観や感情の描写が特徴的な、とても独特で印象的な作品でした。
基本的に救いのない物語であり、話が進むほどにその度合いは増加する。若干ホラーが入っていることもあり、刺さる人にはとても刺さるし、駄目な人にはとことんダメそう。
精神世界の描写がなかなかに特徴的な点が、個人的に結構良かったと思う。