松本直樹のレビュー一覧

  • 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記

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     『古事記』『日本書紀』の内容を恣意的につなげ、イメージとしての「記紀神話」を代補するのではなく、『古事記』『日本書紀』『風土記』がどのようにそれぞれの「神の物語」の世界を構築しているか、そして、その背景にどのような権力の関係が見えてくるかを検討すべき、というのが本書のスタンス。『出雲国風土記』が、『古事記』の物語の体系を大枠では受容しながら、部分的に異説を提示したり土地の起源神話との整合性を取っていたりしている、という部分もなるほどと思わされた。

     いちばん面白かったのは、『日本書紀』神代巻の「一書」(あるふみ)という割注をどう読むか、という箇所。著者は「一書」として紹介される記述が、主文

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    2023年09月16日
  • 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記

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    ネタバレ

    古事記・日本書紀は、大和政権の正当性を説くために作られた建国神話である。神話力を維持するために地方の神々を取り入れて、国民に受け入れられるよう綿密に計算されている。

    「神話力」という説明は説得力があり、神話の新しい読み方を学べて視野が広がった。日本書紀や古事記はまだ読んだことがないので、それらを読んだらまた楽しめそう。

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    2019年08月02日
  • 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記

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    ネタバレ

    日本最古の歴史書である『古事記』と、漢文で書かれた正史である『日本書紀』
    同じような内容を書いているが、よく読むと細かな部分が結構違う。
    ということは、学生時代に習った。

    稗田阿礼が暗唱した物を書き写して編纂した『古事記』の方がとっつきやすく、分量も少ない。
    だからそれほど『日本書紀』については知らなかったのだけど、編年体なのね。
    とにかく、正史であることを強く主張している。
    だからなのか、主文のほかに伝承という形で、いくつものパターンを収録している。

    日本の神様は、天つ神と国つ神のふた系統あると言われている。
    皇室の祖である天つ神は、天から降りてきて、この国を支配していた国つ神(大国主命

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    2018年02月14日
  • 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記

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    『古事記』『日本書紀』および『出雲国風土記』を、大和政権が神話を通じて統一国家のイデオロギーを創出しようとする政治的な力学の中に置き、そのドキュメントとして読み解く試みです。

    民衆によって信仰されていた神々の物語には、当時の人々の生死や社会の道徳を支える「神話力」がそなわっており、この力を利用することが建国のための神話を創出する際に求められていたと著者は考えます。そして、『古事記』における出雲や日向に関する叙述が、まさにそうした観点から「建国神話」のうちに取り込まれることになったと論じています。

    次に『日本書紀』に関しては、主文と一書の関係についての考察が展開されます。ここでもやはり著者は

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    2019年10月19日
  • 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記

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    神話と昔話の違い。神話は伝承するもの。いにしえのこと。いにしえとは、かつて通ったところ(去にし辺)。むかし、は向こうの岸、で今は違う、という意味。

    ペルセウス・アンドロメダ型神話=怪物と乙女の生贄と英雄の退治物語=ヤマタノオロチ

    バナナタイプ型神話=選択したために死ぬことになった。アダムとイブのリンゴ。
    コノハナサクヤヒメが天皇の死を合理化した。

    釣り針探求型=海さち山さち=蛮族の平定の物語。

    イザナギイザナミの子供=アマテラス、スサノオ、ツキヨミ
    オオクニヌシはスサノオの子孫

    皇祖ホノニニギは筑紫の日向に降臨する。
    コノハナサクヤヒメとホノニニギが結婚した。

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    2016年08月20日
  • ゆるゆる古事記 今日も神さまはやりたい放題

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    ゆるゆるですが、話の骨子は押さえていて案外面白い。古事記とは天皇の権威付けのために作られた、と言われればそうなんだろうなあという内容。神話は神話。

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    2023年04月26日