辻麻梨子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「医療保護入院」について、言葉は聴いたことがあったもののどういったことなのかを初めて知りました。
なんとなくのイメージで、関わる各人の性善説に基づいて機能する制度かと思っていたら、全然違うケースも多くて正直ショックでした。
家族一人の同意でOK、入院したらその後のことは家族の意向よりも病院が判断の権限をもっている…患者本人にとって有効に働くケースも多いのでしょうが(そっちの方が多いと願いたい)、そうではないケースが決して稀ではないということに暗澹たる気持ちにさせられます。
極端とはいえ、家族の悪意ある申告で強制的に入院させられるとか想像するだけでゾッとします。
エピローグにあった医療従事者か -
Posted by ブクログ
ネタバレ精神病院に入院するにあたっての形式に、任意入院、医療保護入院、措置入院というものがあり、任意と措置についてはよく知っていたものの医療保護入院に関するこんな暗部があったことはほぼ知らず衝撃を受けました。
尊厳も何もあったものではない、人権蹂躙のシステム化に読んでいても恐怖を感じました。
逆に何の病気も障害もない人でもこんな目に合わされたらそのことによって人格が壊されたり、精神的な病を発症したりしてしまうのではないかと思います。
数十年前、自分の身内にも何人か精神病院・閉鎖病棟へ入院していた人がいて閉鎖病棟内へ面会に入れてもらったこともありますがチラと見ただけでも、衛生状態や余暇を過ごすための環 -
Posted by ブクログ
読み終えた率直な印象は、日本の精神医療の暗部とも呼ぶべき制度的な欠陥・未成熟さへの怒りであった。東洋経済新報社が東洋経済オンラインで連載した人気連載(実に2,700万PVを突破しているという)「精神医療を問う」を書籍化したルポルタージュが本書である。
告発は多岐に渡っており、ずさんな法規制によって何ら精神疾患の疑いがなくても病院送りにされる「長期強制入院」制度の欠陥、ブラックボックスとなった病院内部でのあまりにも酷い身体拘束、安易に処方されることで治療効果以上の副作用を与える大量の薬物処方など。
特に「長期入院制度」の欠陥は、これが本当に法治国家の姿か?(いや、日本というのは実は大いなる土 -
Posted by ブクログ
精神科の成り立ちから考えると、問題の根本にあるのは差別感情だと思われる。治療というより隔離が主な目的だった(西丸四方著『やさしい精神医学』より)
しかし症状も比較的軽く、コントロール出来る様になった現在でもいまだに旧態依然の体質に驚く。患者の人権なんてモノは無いのも同然なのだ。
身体拘束が増加しているのは、痴呆症が増えたからなのだろうか。その辺は透明性がなく分からない印象を受けた。
いずれにせよ、多様性の時代に逆行しているとしか思えない。
患者の声は見えない部分なので、気軽に声をあげられる時代になるべきだと思う。貴重なルポを読ませていただいた。 -
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Posted by ブクログ
日本の精神医療における闇の部分を特集しており、虐待や医療費を不当に稼いだりと言った、隔離されているからこそ表になかなか出てこない内容が記されています。
「精神医療」というと、今までの自分には全く縁がなかったので、こういったニュースがあったことすら知りませんでした。
急に屈強な男たちに連れて行かれたり、まるで病院とは名ばかりの牢獄のような施設だったり、ドラマや海外の世界の話だと思っていたことが、日本でも起きていることに衝撃を受けました。
それと同時にこう言った国や自治体の仕組みを理解していることで搾取している人間がいて、知らないことで搾取されている人間がいる、ということを改めて重く考え、「 -