アルバート・ブーラのレビュー一覧
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ファイザーCEOによる新型コロナウイルスワクチン開発物語。開発、臨床、製造、配布、その後の諸々の政治駆引きに至るまでの非常識的なスピード感と二千億ドルの開発資金拠出をできる企業はそうそうない。
ロケットを月に打ち上げるくらいのムーンショットそのものの事例といえる。
見方はいろいろあるだろうけど、アルバートCEOのリーダーシップが光っていた。
■アルバートCEOはギリシア移民の獣医学博士なのだとか。こういう方がCEOになるあたりがアメリカあるいはメガファーマの特徴的なところなのかな。
■開発プロジェクト名はライトスピード。光速ってのがいいね。
■時は命なり、というフレーズが印象に残る。高潔 -
Posted by ブクログ
ネタバレわずか9ヶ月で95%の効果をもつワクチンができた!
というニュースは、当時、驚きと共に「本当か?」と疑ってさえしまったが、ファイザーの経営が大きく変わるタイミングで、著者のCEOが強力なリーダーシップを発揮したからこそ実現できたと知り、納得できた。
トランプ大統領が後押しした成果なのかと誤解していたが、逆に面倒な介入ばかりしていたことに、辟易した。。
バイデン大統領から握手と共にコインを渡されるシーンは、少し泣きそうになった。
今、第7波が猛威を奮っているが、私はワクチンのおかげでまだ感染を逃れており、感染した息子も、ファイザーのワクチンのお陰で?重症化せず、2日で普段の生活に戻った(隔離 -
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読むには時期を逸した感があるが、Covidのワクチンを短期間で開発したファイザーのCEOによる回顧録。ワクチンの技術的な話ではなくプロジェクトの進め方や意思決定に関するビジネス書的なもの。関係者の尽力には感謝するし、このような協力チームが使命感をもって動いていたことも素晴らしい。本書ではファイザーの4つの価値(勇気、卓越、公平、喜び)が繰り返し参照される。それとともに、根幹となる"Science will win"というスローガンも、難しい判断をする時に常に立ち返らなければならないことだ。勤務先にも似たようなスローガンがあり、気に入っている。
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Posted by ブクログ
ムーンショット(moonshot)とは、元々は月探査ロケットの打ち上げを指していたが、転じて、途方もない計画だが成功すれば大きな成果が収められる試みを指すようになった。この用法自体はそれほど新しくはなく、1960年代にはすでに拡張した意味で使用されていたようである。
昨今、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、この用語が用いられる例が増えてきた。大規模なパンデミックを収めるには、それに見合う大掛かりな対処が必要となる。例えば英国の1日最大1000万件を目指すウイルス検査計画は、ムーンショット作戦と呼ばれたが、経費は14兆円というから、まさに月を目指すようなものである。
本書は、やはり新型コロナウ -
Posted by ブクログ
mRNAを使った全く新しいタイプの新型コロナウイルス用ワクチンを開発・製造・供給したファイザーのCEOの回想。世界的パンデミックに際して、いかに迅速にワクチンを開発するか、そのために幾つかの候補を慎重に絞り、迅速かつ大量の治験を行って安全性と効果を確認し、同時に、当局の承認を得たら速やかに大量に供給できるよう準備を進めておき、その間、どれだけのリスクを負ったか、また、CEOとしていかにプレッシャーを感じたかが書かれている。また、ワクチンの供給をめぐる各国からの要求や政治的問題に巻き込まれそうになったことなども率直に記されている。
個人的に興味深かったのは、ワクチンの価格。世界中の国を富裕国から