読み始めると止まらなくなってしまった。
母語ではない言語を身に付けるための方法とその意義、日本の英語教育についてなど、英語という言語と語学の勉強全般にまつわることをつれつれと述べている本。
著者が、日本語に堪能なアメリカ人で、大人になってから日本語を学んだが、今は英語がなくても日本で生活していける人というところがポイント。
しかも、自称「語学オタク」で、ロシアに行ったことのないアメリカ人からロシア語を学び、英語があまり堪能ではない中国人から中国語を学んだ経験があるということで、語学の勉強の経験がとっても豊富!
(説明が難しいけど、ロシア語は、ネイティブではない人から文法など英語で説明されながら学び、中国語はネイティブスピーカーから中国語だけを使って習った、という人。さらに日本語は日本に住んで覚えたそうで、3通りのやり方で語学学習した人と言えます)
本では、最初から最後まで、特に鋭い発見があるわけでもなく、何か重要な結論に辿り着くわけでもなく、ただ思うところをつれつれと述べているだけなんだけど、私はとってもおもしろかったし、言わんとすることもすごく分かる~と思った。
でも、私はなんだかんだで英語のお勉強が好きだし、英語教育にもそれなりに興味があるからおもしろかったけど、他の人が読んでもおもしろいのかな? そこはちょっと疑問です・・・。
本棚でのカテゴリは英語学習じゃなくてエッセイにした。
英語の授業が小学校から、ということの是非について、反対ではないんだけど、効果についてはずっとモヤモヤしていた。そのモヤモヤの理由をきちんと言語化してくれていて、スッキリした。
でも、この本が最後にたどりついた最終的な結論には心から同意、というわけではなかったかな。
日本人にLとRを教えると、みんなすぐ発音できるようになるけど、聞き分けるのは優秀かどうかに関係なく、みんな最後までできなかった、というくだり、なんかすごく安心した! 私だけじゃないんだ~、と。
LとRを聞いて区別するクイズとかあると好きで絶対やってみるけど、私はけっこうな確率で間違えます。
著者は日本語の「たすけた」の「す」のUと、「たずねた」の「ず」のUは違う音、と言っていて、ビックリしたけど、自分で発音してみると、確かにちょっと違う・・・・?
でも、私が驚いたのは、そもそも日本語は「す」を「S」と「U」に分けて考える発想がないから、え、U? 違うのそこ? 濁音と清音の違いじゃなくて?って驚いた、という感じです。