小倉明彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ化学や生物学に全く縁のない生活をしているので、理解が少々難しい部分も多かったが、面白かった。この方が分かっていることは私には分からないことが多いけれど、私が分かっていることはきっとほぼほぼ分かっているだろうなあ、と思うと、かなり凹んでしまうが。
大学生の五月病対策の為の講義を本に起こしたものだという。料理をしながら講義、というものだったらしい。
1 味の話
2 色の話
3 香りの話
4 温度の話
5 お刺身の話
6 食器の話
7 宴会料理の話
8 季節の食品の話
印象に残ったのは、象の臭覚の受容体の多さ。匂いと記憶は密接な関係があるから、「象は忘れない」と言われるのだろうか。
刑事コロンボ -
購入済み
面白いです
赤、青、緑を原色とする光の三原色は、あくまでも人間にとっての原色。たとえばハトは4原色ある。生物一般の原理ではなく人間都合の原理だったのが面白い。
味覚にも原味がありその内の1つ旨みを発見したのが日本人。それを商品化したのが味の素。
読み物として面白くタメになります。 -
Posted by ブクログ
料理生物『学』とタイトルを冠しているが,全く肩肘張らずに読める。
料理は試行錯誤による経験の純化を経て,文化として定着してきたものの集合体なんだと思うが,それを生物学・化学の観点から見ると非常に理にかなっているのだよ,というメッセージを受け取った。とても面白い。
筆者が講義中で話した内容に解説を加えているので,雑学的な(言い方を変えると散漫な)情報量は非常に多い。しかし,基本となる概念は繰り返し現れるものであり,全部を覚える必要はない。例えば浸透圧と分子の形からの説明が繰り返し現れる。一見異なる調理法の背後には実は同じ意味が潜んでいたりする。このあたりの書きぶりからは普遍性を重んじる物理学の精 -
Posted by ブクログ
ものすごく面白かった!
料理生物学。。。まったく意味が分からないタイトルなんですが、内容を読んでもよく分からないんです。
実際大阪大学で行われていた、料理を作りながらそれにまつわる面白い話を次々していく講義・・・。講義に出席している学生は、美味しいものを作って食べて単位貰って超お得、という夢のような・・・!
一つの料理をきっかけに、歴史、科学、意外な繋がり、世界の国と民族性、単なる雑談・・・などなど、話はどんどん進みます。どの話も意外性があって、納得感があって引き込まれてしまいます。章ごとの追加解説や、脚注も丁寧で、絶妙。
話の面白さ、知識の深さ、広さ、軽妙なユーモア・・・私も小倉先生とパー -
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著者は大阪大学の名誉教授であり、神経生物学の専門家。神経科学の基本的な概念から始まり、記憶のメカニズムや認知症、PTSDなどの記憶障害に関する最新の研究まで。ユーモアを交えながら、通説と自説を分けて解説してくれていて、やや自説の方が面白いが、通説も図解付きで分かりやすい。特に、記憶の仕組みや神経回路の可塑性について、この辺の自説は説得力も高くて面白い。
― 中枢神経系であれ末梢神経系であれ、基本的に成熟動物の神経細胞は増えません。「増えて増えて」といったのは、進化の歴史上の話、あるいは個体の発生の途上での話で、今自立している個体、私やあなた、の中では増えません。ただし、それは別に神経細胞に限 -
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面白かった。前作より専門的(大学生の知識レベル)なので多少文系には難解だが、あらゆる角度から食に対するアプローチが散りばめられていて、この講義を受けられる学生さんは幸せだなと思った。日本のファーストフードは牛丼であるという検証が面白かった。宿題:夫婦丼の提案には私も頭を悩ませた。(相がけ=愛欠けには座布団をあげたい)最後に論文の書き方講座と例があるのだが、本川達雄先生の楽譜サマリーに対するリスペクトと東海林さだお先生のカレーのシルが足りない!という名文に関する検証例が載せてあって、両者ファンなだけにこの著作でお名前を拝見でき個人的には嬉しい限りだった。
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面白そうなタイトルだったので手に取ったが、これは拾いものだった~~1章神経系とはなにか01神経系のなりたち・神経系の起源・神経細胞あるいはニューロン・グリア細胞・メーキングオブ脳・メーキングオブ末梢神経・神経細胞の増殖・神経の再生※スーツと名札02神経の興奮・電池とスイッチと電位依存性チャネル・伝達物質受容体チャネル・感覚受容体チャネル・チャネル毒※お茶の水ハカセッ03神経の伝達・シナプス・神経伝達の二つの様式・シナプスの結合※講義04神経回路・反射・シェリトンのくびき・中枢パターン発生器・指令ニューロンもしくは中枢※棒暗記05神経系のクセ・地理的対応・機能局在・コラム構造・層構造・脱抑制・側
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ハーバードの人気教室シリーズが次々出版されているが阪大も負けていない。残念ながら今では開講していないが2001年から5年間続けられた金曜5限の人気講義「料理生物学入門」シラバスはこうなっている。
単位数は2、受け入れ人数15人ほど。第一回以降の開催場所未定。「料理は化学実験である。料理を通じて生物学を体感する」「科学の基本は周囲の減少になぜ?を発することであり、科学の醍醐味はその答えを自分で発見することである。」「受講資格は初体験の食品もいとわずに口にできること、好き嫌いは別として、いちおう何でも食べられること、とする。」
第1講 カレーライスの生物学
金曜日はカレーの日、それが日本の伝統。 -
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【感想】
楽しい。そして、よみがえる生化学(コーン・スタンプ第2版)の講義?
たべもののの薀蓄がすごい。単に雑学書をよむのではなく、実践と理論に裏付けられている。
目次を転載しましたが、それだけでたのしい。
阪大の石橋キャンパスがでてきて、懐かしい。
【ポイント】
28/赤カエル
私も、教養課程での生物学実験でカエルの神経の実験やりました。
そして、終わったあと、腿肉をホイルに包んでストーブで加熱してお醤油でたべました。
当時も、研究用カエルは2000円といっていた記憶。 38年前のおもいで。
33/アリナミンは、ビタミンB1(チアミン)とアリシン -
Posted by ブクログ
「料理生物学」とは聞いたことの無い学問だが、これは大阪大学大学院生命機能研究科の小倉脳神経工学講座教授の授業を書籍化したもの。身近は食材・料理を材料にして生物学・化学を再度学び直そうという試みのようだ(こうでもしないと授業の出席率が落ちるというのも問題だが)。
題材はカレー、ラーメン、ホットドック、お茶、焼肉、酒、アイスクリームとあり料理材料や調理に伴う様々な化学反応が説明されている。だが亀の子アレルギーの人間にとってはそれは有っても無くてもどうでも良く、講義中の雑学が一番役に立つ。
ハム・ソーセージの製法を伝えたのは第一次大戦で青島に攻め入った日本軍により戦争捕虜になったドイツ兵、なんて