熊倉潤のレビュー一覧
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何かと敏感な地域。文章表現にだいぶ気を使いつつ、中立で冷静な立場であろうとする著者の姿勢があちこちに伺える。これまでの歴史の流れがよくわかった。
・紀元前2000年頃にコーカソイド系の人々が西からやってきた
・タリム盆地周辺のオアシスでは、天山山脈などからの雪解け水を利用した農業者が発達。クチャ、カシュガル、ヤルカンド、ホタンなどのオアシス都市が漢人進出前から成立していた。
・漢人の進出は紀元前二世紀の前漢の武帝の時代頃。敦煌より西は西域と呼ばれた。
・10世紀頃にイスラーム化がはじまった。
・中華民国成立後はロシアの影がちらつく。
・習近平の父の習仲勲は新疆分局の上部組織である中共中央西北 -
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★ 新疆ウイグル自治区
中国の国土の1/6
民族的にはテュルク系で、トルコ人などと同じ系統に属する
中東イスラム世界と文化的に強い紐帯で結ばれている。ウズベク人、カザフ人と並んでテュルク系ムスリムの一角に数えられる
新彊は歴史的にトルキスタンの一部とみなされてきた。そのため現在は東トルキスタン
東トルキスタン共和国の失敗を経て1949年、人民解放軍の支配下に入った。
★ 親戚制度
漢人を主とする公務員を「親戚」と称させて現地ムスリムの各家庭に割り当てる仕組み。しかし、その「親戚」が豚肉料理を使って食べさせる、酒をすすめるなど、悪循環に拍車がかかった。これに抵抗すれば「テロリスト」として報告さ -
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副題の中国共産党70年の支配の通り、1949年から最近の習近平体制までの新疆ウイグル自治区の政治史をメインに扱う。
日本ではほとんど馴染みのない新疆の指導者名が並ぶ。共産党支配以前は東トルキスタン共和国の幹部で後に新疆ウイグル自治区の最高指導者まで上り詰めたセイフディンというウイグル族の政治家がいたのも初めて知った。もっとも、彼以降にウイグル族で幹部に上がる者は出ていない。
かつてはソ連の影響力が強い地域であったが、大躍進運動、文化大革命、改革開放、テロとの戦いを経て共産党の統治が強まった様子が窺える。特に習近平体制は、これまでの経済発展すれば民族的な反発が収まるという考えに見切りをつけ、対新 -
Posted by ブクログ
いわゆるウイグル問題。清の時代にその範図に組み込まれてしまった。
まあそこは、おじいちゃんが旅したことがあったら、核心的利益とか言い出すところで、要はそこが問題だと思う。
著者は、どちらの立場にも入れ込まないように注意されているが、やっぱりかの大盗賊国家のやってることに疑問を呈する。
ジェノサイドかって。
ジェノサイドですよ。文化的かどうかはともかく。
何つても、ウイグルは、Chinaではないのだから。
そこを見誤ってはいけないと思うのだ。
自分たちの管理の元でのみ、実現される幸せこそが幸せであり、個々の人の幸せとか人生に意味がないと信じる有機体に飲み込まれること自体がジェノサイドでし