熊倉潤のレビュー一覧

  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    何かと敏感な地域。文章表現にだいぶ気を使いつつ、中立で冷静な立場であろうとする著者の姿勢があちこちに伺える。これまでの歴史の流れがよくわかった。

    ・紀元前2000年頃にコーカソイド系の人々が西からやってきた
    ・タリム盆地周辺のオアシスでは、天山山脈などからの雪解け水を利用した農業者が発達。クチャ、カシュガル、ヤルカンド、ホタンなどのオアシス都市が漢人進出前から成立していた。
    ・漢人の進出は紀元前二世紀の前漢の武帝の時代頃。敦煌より西は西域と呼ばれた。
    ・10世紀頃にイスラーム化がはじまった。
    ・中華民国成立後はロシアの影がちらつく。
    ・習近平の父の習仲勲は新疆分局の上部組織である中共中央西北

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    2023年07月01日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    経緯が非常に分かりやすくまとまっている。想像してた以上の悲惨な実情には憤りしかない。新疆ウイグルは中国の問題だが、文化的ジェノサイド行為は過去に欧米も日本もやってきており、人類にとって一向に治らない悪癖とも言える。切ない。

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    2023年03月25日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    最も新疆ウイグルの問題に詳しい本である。歴史についても扱っており、さらに中国の漢人の指導者の政策の影響についても書かれている。これから必要なのは、新疆ウイグルで強制矯正所に送られた人の記録の新書版であろう。

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    2022年09月14日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    中国共産党と欧米の共産党政策への批判が両論併記されている。これによって、双方の立場が理解しやすい。人権問題が取り沙汰される昨今において、事実を知ることは大切である。また、新疆ウイグル自治区とはどう言った地域なのかが分かる。漢民族による支配の歴史、デュルク系民族の歴史と言ったものが書かれている。

    この問題を理解するには素晴らしい本。

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    2022年07月07日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    ★ 新疆ウイグル自治区
    中国の国土の1/6
    民族的にはテュルク系で、トルコ人などと同じ系統に属する
    中東イスラム世界と文化的に強い紐帯で結ばれている。ウズベク人、カザフ人と並んでテュルク系ムスリムの一角に数えられる
    新彊は歴史的にトルキスタンの一部とみなされてきた。そのため現在は東トルキスタン
    東トルキスタン共和国の失敗を経て1949年、人民解放軍の支配下に入った。

    ★ 親戚制度
    漢人を主とする公務員を「親戚」と称させて現地ムスリムの各家庭に割り当てる仕組み。しかし、その「親戚」が豚肉料理を使って食べさせる、酒をすすめるなど、悪循環に拍車がかかった。これに抵抗すれば「テロリスト」として報告さ

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    2025年06月01日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    深刻な人権侵害が指摘される中国共産党による新疆統治の歴史を第三者的な立場から論じる。
    新疆ウイグル自治区をめぐる人権問題の経緯や様相について理解が深まった。特に近年の中国共産党による新疆統治のおぞましさをまじまじと感じた。特に「親戚」制度は酷い。

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    2022年12月23日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    副題の中国共産党70年の支配の通り、1949年から最近の習近平体制までの新疆ウイグル自治区の政治史をメインに扱う。
    日本ではほとんど馴染みのない新疆の指導者名が並ぶ。共産党支配以前は東トルキスタン共和国の幹部で後に新疆ウイグル自治区の最高指導者まで上り詰めたセイフディンというウイグル族の政治家がいたのも初めて知った。もっとも、彼以降にウイグル族で幹部に上がる者は出ていない。
    かつてはソ連の影響力が強い地域であったが、大躍進運動、文化大革命、改革開放、テロとの戦いを経て共産党の統治が強まった様子が窺える。特に習近平体制は、これまでの経済発展すれば民族的な反発が収まるという考えに見切りをつけ、対新

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    2022年10月02日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    いわゆるウイグル問題。清の時代にその範図に組み込まれてしまった。
    まあそこは、おじいちゃんが旅したことがあったら、核心的利益とか言い出すところで、要はそこが問題だと思う。

    著者は、どちらの立場にも入れ込まないように注意されているが、やっぱりかの大盗賊国家のやってることに疑問を呈する。

    ジェノサイドかって。
    ジェノサイドですよ。文化的かどうかはともかく。

    何つても、ウイグルは、Chinaではないのだから。
    そこを見誤ってはいけないと思うのだ。

    自分たちの管理の元でのみ、実現される幸せこそが幸せであり、個々の人の幸せとか人生に意味がないと信じる有機体に飲み込まれること自体がジェノサイドでし

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    2023年07月27日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    中国建国以来、共産党統治下の新疆ウイグル自治区の歴史を概観した本。

    大躍進政策、文化大革命から直近のゼロコロナ政策にいたるまで、上からの一方的な政策に翻弄されるのは中国に暮らす人々にとって常なのだが、新疆ウイグル自治区ではさらに民族問題もからんで問題は複雑化する。頻発するデモ・暴動に対して民族政策は強硬になるいっぽうで、現在ではウイグル人は徹底した監視、思想改造によって民族のアイデンティティが失われるような状況に置かれている。 (おそらく、このような状況はチベット、内モンゴルにおいても同様であろう。) 非常に胸が痛む。

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    2023年05月16日
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年

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    ずっと興味・関心を抱きつつ、そのテーマを総論的には一度も学んだことのない「新彊ウイグル問題」。書店の棚で本書の背表紙を見つけたとたん「コレは読まねば」と手に取って買い求めた一冊。
    さすがに一度通読しただけでは、全体像としてアタマや心には残らない。しかしその歴史的な流れと背景は「太い幹」として掴めたような気もする。中でも、現住民族と漢族との愛憎こもごもの関係や、現・習近平父子の歴史的因縁など、その根底に流れる、日本の近代史には見られない大規模でドロドロな奔流が印象深い。
    いずれ再読も必要だろう。

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    2022年08月04日