ポール・ギャリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ毎回、ハリス夫人の人柄に影響された人達によってトントン拍子で都合よく進むかと思いきや、急に現実的な困難に直面して苦しむというのがクセになるシリーズ。
今作では、“あんたもわたしも楽しく生きなきゃ“をスローガンに、選挙活動をする。
ハリス夫人のような人がいたら夢をみて票を入れたくなるかもしれないが、実際はやはり政治知識がないので右往左往する。単に政治家や総理大臣になりたいなどといっても、はったりでもいいから政治的弁論術を持たねばならないという現実的な話である。
終わり方がベイズウォーター氏がハリス夫人を連れ出してくれるのだが、映画のような逃避行の始まり方でわくわくした。
友人に好評だったため -
Posted by ブクログ
大好きなポール・ギャリコの未読の作品を見つけ喜び勇んで手に取り楽しく読みました。全然知りませんでしたが映画化されたそうでそれもあって手に取りやすくなったようです、大変ありがたいです。連作だそうなので全て新装文庫版で出たら嬉しい。英国の掃除婦のハリスさんが一念発起して単身でパリのディオールを訪ね、国も階級も違う人々と出会い温かな交流をするお話。英国での日常と、異国のパリでの夢のような滞在の様子の対比が際立っていました。周囲の状況や関わる人が変わっても地に脚を付けて持ち前の実直さと快活さと少しのいたずら心を忘れないハリスさんにはとても好感を持ちました。パリから戻ってハリスさんはまたそれぞれの顧客の
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画は未視聴。
ディオールのドレスに一目惚れし、その後は取り憑かれたようにドレスを思い出し、自身が所有することを夢みる、その様子がとてもワクワクして、素敵だった。
それに付き合うバターフィルドおばさんも優しくて面白い。
次々と人々を幸福にしていくハリスおばさんだが、ラストは単純なハッピーエンドではなかった。
ドレスを持って帰ってすぐ、貧乏な女優の卵が着るものがなくて困っていたところにシンデレラの魔法使いよろしく、ドレスを貸してあげた。
ところが、翌日返してもらおうと訪ねてみると、焦げ臭いにおい。ドレスの一部が焼け焦げ、刺繍の黒ビーズも溶けていた。一緒に手紙と1ポンドが置いてあり、"昨 -
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ハリスおばさんが隣に住む男の子ヘンリーが里親からの暴力から救うために本物の父親探しにニューヨークへ。
今回は自分のお金ではなく、家政婦の仕事としてニューヨークに行けることに。ハリスおばさんとバターフィルドおばさんも一緒。
向こう見ずなところはあるけどハリスおばさんの行動力が凄く、ハラハラしつつも楽しい冒険劇だった。
ニューヨークに行けさえすればなんとかなると思ってたら道中から既に一筋縄ではいかない。ハリスおばさんは自分の行動に反省し、悲壮感に暮れることも。
それでもハリスおばさん明るさ、コミュ力に惹きつけられた周囲の人々がなんとか協力しようと動く。前作に続き今作もハリスおばさんの人柄の魅力 -
Posted by ブクログ
エイダ・ハリスには、国会という舞台は大きすぎたか?だからこそハリスおばさんは、あの決断をしたのですが、、、
シリーズ第1弾がとても良くて、2弾目がちょっぴり物足りず、内容としては今回は中盤までかなり良かっただけに、最後のボリュームが足りないのではと余計に残念な気がしました。昔馴染みを頼りすぎるのもビミョーか。ミセス・ハリスシリーズは長過ぎないところが大人の絵本的な感じで良いのですが、この設定だともう少し議会でのふくらみが欲しかったかなあと。ハリスさんが行く先で出会うひとたちに色んな影響を与えるのが魅力なのですが、その意味では新しい出会いでチャーミングなキャラクターがほしい。第2弾で伏線を引いた