ポール・ギャリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミセス・ハリス シリーズ全4巻
初めて読むのに最後の4巻を読みました。
シリーズの最初の本ミセス・ハリス、パリへ行く
は品切れだったし、帯にどの巻からでも読めると書いてあったのでなんとなくモスクワへ行くを選びました。
富くじを当ててモスクワへ親友のバターフィルドと旅行へ行きます。
ひょんなことからスパイ容疑をかけられてしまいます。
時代はまだソ連の時代ユーモラスに描かれていますが部屋には盗聴器が仕掛けられていたり、いつも監視されていたりけっこう怖いです。
トイレにトイレットペーパーがなかったりするのも時代を感じました。
話はテンポ良く進み読みやすかったです。
こちらの原作は1974年。
1作目 パリへ行くは1958年
そんな古い時代のパリも気になるのでいつかこちらも読みたいです。 -
Posted by ブクログ
海外文学にうとい。海外文学は人の名前がすぐに分からなくなるという恐怖(?)からずっと避けてきたというのが一番の理由。
でもこの本、表紙がかわいいし(単純)、物語の解説を読むとなんだか勇気がもらえそうだったので、手に取ってみた。
このポール・ギャリゴの小説、1958年に書かれたお話。舞台はロンドン。お金持ちの家を掃除して回る還暦近い家政婦、ミセス・ハリスがあるお宅で見たクリスチャン・ディオールのドレスに一目惚れし、せっせとお金を貯めて、ドレスを買うために一人でパリに向かうのです。そこで訪れた出会いの数々。なぜか、みんなハリスおばさんの勇気と魅力に引き付けられていく。そして、あっという間にみんなを幸せに導いていく。
ハッピーエンドかと思いきや、教訓めいたものもあり、ハリスおばさんが神を畏れている部分などは、私たちも日常でちょっと調子に乗ったり有頂天になって軽はずみなことをしてしまったりする部分と重なって、私自身、「あー、おっしゃるとおりでございます」と悔い改めたくなる。
私はパリにも行ったことないし、クリスチャン・ディオールも興味はないけど、何かに憧れをもって、周りから見たらバカみたいなことでも、それに向かって日々コツコツ努力を積み上げていく、その熱量というのか、焦燥感に近い執着というのか、絶対に希望を投げ出さない心意気をもつことは、大なり小なりある。固執というより、ゴールを目指して一目散に駈けている状態というのか。歳を重ねても、そんな思いを持って行動に移していくことは、まさに冒険。
突拍子もない設定なのに、なぜか自分の日々の暮らしと当てはめて、共感することも多々あった。そして、忘れかけていた優しさにもたくさん触れた。
さて、このミセス・ハリスシリーズは、
「ニューヨークへ行く」
「国会へ行く」
「モスクワへ行く」
と続くのだそうだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回、ハリス夫人の人柄に影響された人達によってトントン拍子で都合よく進むかと思いきや、急に現実的な困難に直面して苦しむというのがクセになるシリーズ。
今作では、“あんたもわたしも楽しく生きなきゃ“をスローガンに、選挙活動をする。
ハリス夫人のような人がいたら夢をみて票を入れたくなるかもしれないが、実際はやはり政治知識がないので右往左往する。単に政治家や総理大臣になりたいなどといっても、はったりでもいいから政治的弁論術を持たねばならないという現実的な話である。
終わり方がベイズウォーター氏がハリス夫人を連れ出してくれるのだが、映画のような逃避行の始まり方でわくわくした。
友人に好評だったため調子に乗ったハリス夫人の通い家の1つである、政界での大物・ウェルモット卿相手に演説を披露すると変なアイディアを閃かれてしまい、選挙に出馬することに。(しかし、最初から落選させる計画で、ハリス夫人の登場で票が割れて目当ての人物が当選するのを狙った)
車内でそれら密約を交わす中、車内電話はたまたま切り忘れられており、運転手のベイズウォーターの耳に入る。(毎週木曜の夜にお茶に来るほどハリス夫人と仲良し)
気の毒に思ったベイズウォーターは、今シリーズ過去作でハリス夫人の仲良くなった内の有力者に手紙を書いて手伝ってもらい、ハリス夫人が当選するよう企てる。p119
ロールスロイス仲間で近辺の家を手分けしてまわり、1件15分という時間を設けてハリス夫人の布教活動を行ったり、政治的アピール無しならテレビ出演できるので主婦向けの番組に出て家政婦の仕事を見せたり(政治を少し語ってしまい反感も買う)、フランスの人気新聞内でハリス夫人をこけ下ろすことで反感を買わせ、逆にフランス野郎に負けるなよ!と結構な支持率になった。
そして当選。
しかし、本来は落選させるはずだったという陰謀を噂で議員らの知ることになり、そんな本来落ちるはずだった無知な家政婦の舞台にされちゃたまらないと周りは冷たくなり、ハリス夫人の当選により元々少なかった議席が2席減ったり計画が崩れたパニック等で同じ党の議員もハリス夫人には冷たい。選挙活動を手伝ってくれた人達は逃げていった。
たまにこっそりと、応援してますよ!と声を掛けてくれる人がいるくらいで、議員とは何をすればいいのか、国会に出ても内容を理解するのに精一杯。
選挙活動を手伝っていた(落選させるためしょぼい演説くらいしかさせようとしなかった)スマイスが帰ってきたというので話に行くと、落選させようとしていた陰謀を話され、そこからベイズウォーターの企みも推察でき、本人に問いただすと白状し、絶縁を告げる。
家で無気力な状態でいるのを親友のバターフィルドおばさんに発見され、声をかけても反応せず1点を見つめており、これは大変だと介抱する。
ベイズウォーターに電話で助けを求めるが、自分では無理だと断られる。
しかし、ベイズウォーターは不思議な力に動かされ、旅支度をし、これからハリス夫人宅へ押し寄せるであろうマスコミなどを思い、ハリス夫人と共に海外へ出かける。 -
Posted by ブクログ
大好きなポール・ギャリコの未読の作品を見つけ喜び勇んで手に取り楽しく読みました。全然知りませんでしたが映画化されたそうでそれもあって手に取りやすくなったようです、大変ありがたいです。連作だそうなので全て新装文庫版で出たら嬉しい。英国の掃除婦のハリスさんが一念発起して単身でパリのディオールを訪ね、国も階級も違う人々と出会い温かな交流をするお話。英国での日常と、異国のパリでの夢のような滞在の様子の対比が際立っていました。周囲の状況や関わる人が変わっても地に脚を付けて持ち前の実直さと快活さと少しのいたずら心を忘れないハリスさんにはとても好感を持ちました。パリから戻ってハリスさんはまたそれぞれの顧客の家を掃除する日常に戻るのですが、行く前と変わらない毎日なのだけれど、心の有り様が前とは変わった部分もあり、変わったけれども根っこのところは揺るがずに同じままなのが、とても良かったです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画は未視聴。
ディオールのドレスに一目惚れし、その後は取り憑かれたようにドレスを思い出し、自身が所有することを夢みる、その様子がとてもワクワクして、素敵だった。
それに付き合うバターフィルドおばさんも優しくて面白い。
次々と人々を幸福にしていくハリスおばさんだが、ラストは単純なハッピーエンドではなかった。
ドレスを持って帰ってすぐ、貧乏な女優の卵が着るものがなくて困っていたところにシンデレラの魔法使いよろしく、ドレスを貸してあげた。
ところが、翌日返してもらおうと訪ねてみると、焦げ臭いにおい。ドレスの一部が焼け焦げ、刺繍の黒ビーズも溶けていた。一緒に手紙と1ポンドが置いてあり、"昨夜のパーティで危うく私まで燃えてしまうところだった。ドレスは燃えたけど一部だけだから、おばさんの入ってる保険で安く直せるし問題ないはず。旅行に行くことになったから、その間も掃除よろしく。その間の掃除代として1ポンド置いておきます。"という旨の内容。
さすがにハリスおばさんも、その娘宅の鍵をポストに入れてその宅の掃除婦をやめ、帰ってから泣いていた。浅はかな娘という描写もあり、当然だ。今まで順調に問題が起こっても解決していったのに、最後の最後で酷すぎる。その時、フランスから、たくさんの花が感謝のメッセージと共に届き、花屋のような状態に。みんなが慰めてくれているような、フランスでの色々な出来事を思い出し、胸がいっぱいになる。
このドレスは修繕することもできるだろうが、それはまた別のドレスになってしまうと思い悩む気持ちもよくわかる。だからあえて、このまま保管し、思い出にすることにして泣きながらドレスを抱きしめるハリスおばさん。
好き。
これは、ハリスおばさんの作り話であって、ハリスおばさんの区分法によると、うそではなかった。作り話では、だれもめいわくを受けはしないが、うそはたくらみであって、自分の身を救うとか、不当な利益をものにするとかの手段なのだ。うそだけはいわないほうがいい。そうしないと、不正直というスタンプがおされてしまう。ハリスおばさんは、だから、うそはいわない。p66 -
Posted by ブクログ
ハリスおばさんが隣に住む男の子ヘンリーが里親からの暴力から救うために本物の父親探しにニューヨークへ。
今回は自分のお金ではなく、家政婦の仕事としてニューヨークに行けることに。ハリスおばさんとバターフィルドおばさんも一緒。
向こう見ずなところはあるけどハリスおばさんの行動力が凄く、ハラハラしつつも楽しい冒険劇だった。
ニューヨークに行けさえすればなんとかなると思ってたら道中から既に一筋縄ではいかない。ハリスおばさんは自分の行動に反省し、悲壮感に暮れることも。
それでもハリスおばさん明るさ、コミュ力に惹きつけられた周囲の人々がなんとか協力しようと動く。前作に続き今作もハリスおばさんの人柄の魅力に溢れてる。読んでいて自然と応援したくなった。